ANAはハワイ線で最強のJALにどう挑むのか 超大型機「A380」2019年導入の勝算を探る
世界有数のリゾート地、ハワイ。日本から飛行機で約7時間のフライトの先には、年中あたたかくカラッとした快適な空間が広がる。正月休みに大勢の芸能人が渡航することが毎年ニュースになるなど、日本人に人気の高い観光地である。そのハワイと日本をつなぐ航空路線の競争が、いつになく激しさを増していきそうだ。仕掛けるのは航空大手のANAホールディングスである。
ANAは1月29日に発表した中期経営戦略で、欧州エアバス製の総2階建て超大型旅客機「A380」を3機導入し、2019年春をメドにハワイ・ホノルル線へ投入すると発表した。A380はANAが再建を支援するスカイマークが購入を断念し、破綻に至る引き金になったともいえる機材で、カタログ価格は1機で約500億円にも上る。日本の航空会社ではANAも日本航空(JAL)も導入していない「怪物」だ。
ANAの現在のシェアは10%。A380導入で24%目指す
「私たちはチャレンジャーである。ハワイはホテルだけでなくコンドミニアムを持って1年に何回も訪れる人もいる。座席のシェアが上がることで代理店との価格交渉力も上がっていくなど勝算ありと思っている」。ANAホールディングスの片野坂真哉社長はこう意気込む。
ANAのホノルル線は現在、羽田空港から1往復、成田空港から2往復の合計3往復、全便ボーイング「767」(202席もしくは214席仕様)で運航している。ANAが新たに投入を予定しているA380の座席数は1機500席程度となる見込みで、ホノルル線の座席量は今の約2.5倍になる。これまで欧米の長距離路線やシンガポール線の一部にしか導入していなかったファーストクラスもA380に設定する。
「これまでの国際線は、ビジネス旅客を優先順位に上げて市場規模を拡大してきたが、少し不足していたリゾート路線を強化していきたい」。ANAの事業会社、全日本空輸の篠辺修社長はこう明かす。
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