「日本の国内線に乗る時って、身分証明のチェックがまったくないんですね。誰かが他人になりすまして乗って来て、テロ行為でも仕掛けられたらどうするんだろう……って思うとコワイですよね」
国内線で大阪に飛んだ時、隣に座った米国人ビジネスマンからそんなことを尋ねられた。国際線に乗る時には搭乗前にパスポートを何度もチェックされるのに、国内線ではまったくそんな手続きはなし。改めて外国人に指摘され、何もチェック機能が働いていないのはテロ防止の観点からすると、確かにコワイ。日本の機体整備は世界に誇れるもので、安全性は極めて高いだろうが、別のところで減点される要素があるのは残念だ。
身分証不携帯でも乗れる日本のヒコーキ
日本の国内線に乗る際の流れを、いま一度振り返ってみよう。
チケットは、ネットで購入しようが旅行代理店などで購入しようが、その際に身分証明書的なもののデータの提供を求められることはない。
搭乗手続きの際も、オンラインでの手続きであれ、空港で搭乗券をピックアップの時でさえ何も尋ねられない。そして搭乗ゲートでは自動改札機に搭乗券をかざすだけでOK。つまり一貫して、「ボクが誰だか」がチェックされることはないのだ。
もっとも最近では、各社のマイレージプログラムに加入している人がとても多いので、本当に大きな事件でも起きたら、会員情報が身分特定の一助になるとは思うが、実際の搭乗時に本人であるかどうかの最終確認はしていないのだから「替え玉搭乗」を見破ることができない。かつては搭乗券に年齢と性別が打ち込まれていたので、それとまったく違う属性の乗客が来たら「おかしい」と職員が感じるタイミングもあっただろう。しかし、今ではセキュリティチェック前のバーコードリーダーにQRコードをかざして終わりなので、ここで「異変」に気がつくこともない。
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