プロから見ると日本の「空港検査」は甘すぎる なぜ「すり抜け事件」が起きてしまうのか

✎ 1〜 ✎ 18 ✎ 19 ✎ 20 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
保安検査場の様子が外から覗ける空港は世界的にはまれかも(福岡空港国際線ターミナルにて筆者撮影)

「おもてなし」を観光のウリとしている国、ニッポン。何ごとにも丁寧で、サービスも行き届いている国なのに、空港の保安検査ですり抜けが起きるという"大事件"が起きた。新千歳空港の国内線で8月5日に起きた「搭乗客の保安検査すり抜け」だ。

検査場すり抜けは重大な航空事故だ

この連載の一覧はこちら

すり抜けが起きた、ということは検査場内で目を光らす人員が足らないのか、それともボディチェックのマシン周辺に人が通れるすき間でもあるのか、という疑問が頭に浮かぶ。もし、保安上の仕組みでループホール(抜け道)が見つかったのであれば、機体破損かそれ以上の重大なインシデント(航空事故)として認識するべき事案だ。

このトラブルでは、新千歳を同日午後0時20分発のエア・ドゥ羽田行きの女性客1人がボディチェック機器脇の通路をすり抜け、飛行機に搭乗。本人は何ごともなく羽田に着いたものの、新千歳ではこの問題が発覚するやいなや、出発ゲートや機内など制限エリア内にいた全員、約1000人をいったんエリア外に戻し、該当者に対して再び保安検査を実施する事態となった。その結果、同日に欠航や遅延が相次ぎ、2万人以上がトラブルのあおりを受けた。

これが国際線ターミナルでの出来事だったら、空港管理会社はどうするつもりだったのだろうか。外国人を含めた全員を一旦再入国させてもう一度保安検査を行ったのだろうか。

次ページ検査場の職員、欧州では命令調で指示
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事