「腕時計」の真実をどれだけ知っていますか

この蘊蓄100章は思わず人に話したくなる

41. 日本の主要メーカーは電卓分野から発展したカシオ計算機をのぞき、懐中時計や柱時計分野から参入

42. しかし吉田時計店・東洋時計店を前身とするオリエントは機械式腕時計時代には国産第3位を誇ったが凋落

43. また旧・高野精密工業を前身に「タカノ」ブランドで知られたリコーエレメックスは伊勢湾台風で衰退した

44. 現在、日本で三大メーカーとして知られるのは、「セイコー」「シチズン時計」「カシオ(計算機)」である

複雑なムーブメントはそれだけでも美術品のよう(撮影:今井康一)

45. 腕時計には精巧な技術が求められるが「自動巻き腕時計」は時計内部に組み込まれた半円形の錘がポイント

46. 腕時計を装着した人が腕を振ることによって錘(ローター)が回転し動力のぜんまいを巻き上げる

47. ベースとなった自動巻き機構は1770年頃に懐中時計用としてスイスのアブラハム=ルイ・ペルレが考案

48. それに対してアブラアン=ルイ・ブレゲは振り子による自動巻き「ペルペチュエル」を開発した

49. しかしムーブメントが複雑だったため普及せず、19世紀の懐中時計は「鍵巻き」と「手巻き」が主流だった

実用的な自動巻き腕時計の誕生

50. 竜頭による手巻きはパテック・フィリップの創業者の一人アドリアン・フィリップが1842年に発明したもの

51. 世界で初めてとなる実用的な自動巻き腕時計は、1926年にスイスのフォルテスから発売された

52. これは片方向の回転時のみゼンマイを巻き上げる半回転ローター式でイギリスのジョン・ハーウッドが開発

53. その後、ロレックスが全回転式を発明。ローターの方向を問わずゼンマイを巻き上げるため効率に優れた

54. ロレックスはこの全回転式ローター自動巻きを「パーペチュアル」と名付けて市販し、その名を広めていく

55. 水晶は圧電体で交流電圧を流すと一定の周期で規則的な振動をする。それを利用したのが「クオーツ時計」

56. 1920年代から発明されていたが、当時は能動素子に真空管を使用したため大きな据え置き時計用であった

57. しかし1960年代になると集積回路が安価に利用できるようになり、クオーツ時計の小型化が可能になった

58. セイコーは1959年から開発を進め、69年世界初となる市販クオーツ腕時計「アストロン」を発売する

59. アストロンの定価は45万円。当時の大衆車トヨタ・カローラの定価42万円よりも高価であった

60. セイコーはこの特許を公開。多くの他社の参入によってコストが下がり、クオーツ時計の低価格化に成功する

次ページ高機能化が進む一方で…
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