フォッシルが狙う「Apple Watch後」の市場 ディーゼルのスマートウォッチが今秋発売!?

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5月に沖縄で開催された「iMedia Brand Summit」に登壇したフォッシル・ミスフィット部門ジェネラルマネジャーのプレストン・モクシー氏

「フォッシル」は欧米、特に地元である米国では幅広い消費者層に知られたブランドだ。日本ではセイコー、シチズン、カシオなどに隠れている感はある。しかし、フォッシルの名前を知らない人も、彼らが生産・販売している腕時計ブランドの名前を聞けば、なるほどと思うだろう。

フォッシルが生産する腕時計ブランドは、自社を除いて16もあり、その中にはマイケル・コース、ディーゼル、アディダス、エンポリオ・アルマーニ、ケイト・スペードなどがある。これらのブランドにおいて、「ほぼ同時期にスマートウォッチが展開される」と書くと驚く読者もいるだろうか?

しかも多くの人が想像するだろう、ディスプレー表示付きの腕時計ではない。アナログ指針で腕時計らしいデザインを踏襲し、ウエアラブルデバイスの機能も取り込みつつ、半年間電池交換不要の「ハイブリッド」型スマートウォッチである。

事業の中心は他社ブランドの腕時計生産と販売

フォッシルはグローバルで600以上の直営店を持つファッションブランドとして、ハンドバッグやジュエリーも扱っているが、その事業の中心は他社ブランドの腕時計生産と販売である。OEM先が多種多様であるため、販売・出荷本数の全貌は明らかになっていないが、生産数・販売数で世界1位と彼らが主張する数字も納得できるものだろう。

もっとも、フォッシルの腕時計は高級品ではない。2万~3万円程度のクォーツウォッチが中心だ。そんなフォッシルは、スマートウォッチへの参入機会を数年前からうかがってきた。

時計は実用品であるとともに嗜好品でもある。数千円のデジタル時計もあれば、実用品としての時計の要件は満たすが、数百万円の機械式時計がいまだに小さくない市場を築いている。それどころか「成長している」という。腕時計というジャンルが、単なる実用品の枠を越えてファッションとしての大きな意味を持っているからだろう。

しかしながら、デザイン面で一定以上のレベルを達成しながら、比較的安価で求めやすいフォッシルの時計は、今後、スマートウォッチあるいはコネクテッドウォッチといった、スマートフォンと連動する製品との競合にさらされる可能性が高い。

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