フォッシルが狙う「Apple Watch後」の市場 ディーゼルのスマートウォッチが今秋発売!?

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フォッシル自身、そうした事態を見越して数年前から自社でスマートウォッチを開発してきたが、難航。そんな中、買収したのがジョン・スカリー氏が出資したことで知られるウエアラブル機器メーカーのMisfitである。

なぜフォッシルはMisfitを買収したのか。Apple Watch後の時計業界をどのように見ているのか。彼らの新製品情報を含めその考えを、フォッシル・ミスフィット部門ジェネラルマネジャーのプレストン・モクシー氏に尋ねてみた。

「1ブランドで全消費者を満足させることは難しい」

――時計業界は1年前、Apple Watchが投入されたことで大きく動きました。当時から時計産業にとってプラスに働くという予想と、市場が縮小するという懸念が入り交じっていました。実際にはこの1年、どう業界は変化しましたか。

われわれはポジティブに受け止めています。手首に装着するデバイスに注目が集まったことで、腕時計業界は大いに活性化されています。東京を歩いていても、Apple Watchをはじめ、多くのスマートウォッチやウエアラブルデバイスの広告が見受けられます。

この1年、グローバルで見ると1000万人以上の消費者が、手首に装着する何らかのデバイスを購入しています。そして、ウエアラブルデバイスとは何なのか? そこにどのような機能性やファッション性を求めるか?と考えています。ウエアラブルデバイスやスマートウォッチは、明らかに大きな存在感を放っています。

しかし一方で、ファッションアイテムとして考えたとき、たったひとつのブランド、製品だけですべての消費者を満足させることはできないという点も強く感じています。

――16ものブランド向けに時計をデザイン、製造しているフォッシルらしい見解です。確かに、高級時計ブランドであれば、生産数は限られていますから、Apple Watchはプラスに働きそうです。しかし、600万~700万本が売れたといわれるApple Watchのユーザーは、嗜好性よりも実用性を重んじる購買層ではないでしょうか? そうした意味ではフォッシルや、日本でいえばシチズンのようなメーカーが大きな影響を受けそうです。

もちろん、Apple Watchは強力な製品です。しかし考えてみてください。毎日、みんなと同じ服を着ていることがありえるのか?という話です。それぞれ好きなデザインの洋服を着たいでしょう。毎日充電して、グランスからの通知メッセージを見て生活をすることに、どこまで魅力を感じるか?という視点もありますよね。ファッションブランドとして、多様な趣味を持つオーディエンスに対して、多様な製品を提供することはできるのでしょうか?

また、Apple Watchにしかできない、通常の時計ではできないことがある一方、Apple Watchにはエクスキューズもあります。ファッションとして当たり前の多様性以外にも、防水性や充電の問題がある。

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