61. セイコーはクオーツ腕時計を量産して世界を席巻し、スイスの時計産業は〈クオーツ・ショック〉に沈んだ
62. その頃、アメリカのハミルトンは世界初の「文字表示式」(=デジタル式)腕時計「パルサー」を製造
63. しかし表示器に発光ダイオード(LED)を使用していたため実用性に問題があり、一般化しなかった
64. その後、液晶表示器(LCD)が導入されたことで実用的なデジタル腕時計が誕生していく
65. さらにアラーム機能やストップウォッチ機能など高機能化が進む一方、低価格化も進み腕時計は消耗品に
66. 結果、1980年代に入ると精度は劣るものの熟練工による機械式腕時計が見直されスイス製が人気回復する
67. さらに安価なアジア製クオーツ時計に市場を奪われ、日本製クオーツ腕時計の業績は急激に悪化していく
68. セイコーは1960年代に人気を博した高級機械式腕時計「グランドセイコー」を復活させ、再び機械式に注力
69. また機械式のみならず「ビスカススイープ」「キネティック」「スプリングドライブ」など新方式も開発した
70. 2000年代からは「セイコー・スペクトラム」のような新コンセプトや超高価格帯製品にも力を入れている
71. シチズンは定期的な電池交換が不要で、光発電によって駆動する「エコ・ドライブ」を実用化
腕時計にも新たな波が
72. 今年(2016年)の秋には光発電時計開発40周年を記念してフラッグシップモデルが発売される予定だ
73. 「エコ・ドライブワン」と名づけられたこの製品は搭載ムーブメントが1.00㎜、ケース厚2.98㎜の薄さ
74. アナログ式光発電腕時計では世界で最も薄く、外装は堅牢な新素材。〈薄く・強く・美しい〉を実現した
75. 2~3階から落としても壊れない耐衝撃性を謳ったカシオ「G-SHOCK」は1983年の発売以来の人気商品
76. その頑丈さから湾岸戦争やイラク戦争の兵士たちにも愛用され、現在も世界でロングセラーを続けている
77. しかし近年、時計表示される携帯電話やスマートフォンの広がりによって腕時計を身に着けない人々も増加
78. 2015年には腕時計型ウェアラブルコンピューター「アップル・ウォッチ」も発売され注目を集めた
79. またこれらウェアラブルコンピューターの登場によって、大学等の試験会場では腕時計の扱いが厳格化
80. イギリスのロンドン大学では試験会場に入る際、すべての腕時計の持ち込みを禁止するほど
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