瀧本:すでに動き出していますが、AI(人工知能)は有望です。みんな半信半疑のところがあって、何に使うかがわからないじゃないですか。それがいいんです。AIで音楽を作る時代はすでに来ていますが、AIでお笑いのネタを作るとか、AIでこのネタが受けるかどうか判断する、という時代になるかもしれません。
木本:えっ!僕たちのネタを打ち込むとAIが判断してくれるんですか。
瀧本:すでに京都大学が研究しています。プレゼンの時に、どういう世代の人だったらウケる、とかこういう性格の人にはウケるとかを判断できます。話し方や、身ぶり手ぶりを分析して、こういう話し方は、ここではウケるけど、別の場所では受けませんというのがわかってしまう。
木本:僕がひとしきりしゃべると、この番組ではウケるけど、別の番組ではあかんよというのがわかるようになると。
瀧本:理論上はできますね。そういう研究はちょっとバカっぽいと思うじゃないですか。でも最近はだんだん正解に近づいてきている。
木本:となると近い将来、僕らの仕事はどうなっていくんでしょう
瀧本:僕らが仕事だと思っていることがかなりの部分でAIに置き換えられていきます。そのぶん、新しい仕事を作らなければいけない。
AIが手作りジャムは作れるか?
木本:僕にはお気に入りの手作りジャムがあるんですが、まさかAIが手作りジャムは作りませんよね。
瀧本:いや、日本中のプリンを集めて、科学的に美味しいモノを作った人がいます。この人は元々『テレビチャンピオン』で高校生の時に手作りお菓子コンテストで優勝したのですが、大手のお菓子メーカーに就職し、「科学的に美味しいカスタードクリームを作リます」と、データを集めて分析して、「いちばんおいしい黄金比」を打ち立てました。
木本:AIではっきりと「いちばん美味しいモノ」ができてしまうと。
瀧本:最後に人のチェックは入りますが、組み合わせを調べて分析するのはコンピュータです。人間とコンピュータのセットが最強ですよ。
木本:AIを使う人間こそが最強なんですね。
瀧本:AIもゼロから考えるのではなくて、人間が考えたことを分析するのです。コンピュータ将棋がプロの棋士に勝ったことが話題になりました。これは過去に人間がやった対局をぜんぶ調べて、人間が考える強い手を分析して戦っています。じつはコンピュータ側には人間が100人くらいついている。人間が使うコンピュータ対人間なんです。
木本:それだと棋士はかなわないです。
瀧本:コンピュータと組んだ人間が勝つという構図です。
木本:都市伝説のように人工知能に支配される日が来るといわれていますが、本当にそういう世の中になるんでしょうか。
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