2月18日発行の「電通報No.4744」最終面に掲載された俳優・映画監督の伊勢谷友介さんの寄稿に、さわやかな驚きを禁じえませんでした。彼は、人類が未来の地球で生き続けるための知恵を生み出し、それを実践するプロジェクトを推進しており、その背景と目的を怜悧な思考と語り口で説明しています。
少し抜粋すると、「『あの会社があって良かった』『あの会社のおかげで社会が少し前進している』と若い人々から言われるような存在を目指し」「理想と利益を追求した新しいプロジェクト活動」を「ボランティア団体ではなく、あくまで株式会社」として進めていきたい、といった具合です。伊勢谷さんは、「ソーシャルビジネス」の本質を見抜いていると思います。
「ソーシャル」は古くて新しい発想
しかしながら、「経済活動と社会貢献の両立」は決して新しい考え方ではありません。ピーター・ドラッカーは『ネクスト・ソサエティ(Managing in the Next Society)』の中で、「社会の次世代モデルにおいては、大企業、特にグローバル企業にとっての最大のチャレンジは、その価値観・ミッション・ビジョンに社会的正統性を持たせることである。それ以外は全てアウトソースすれば済むものだ」と喝破しています。
さらにさかのぼれば、1943年に発表された米ジョンソン・エンド・ジョンソンの社是「Our Credo」の中に、同社の使命は「医者や患者などすべてのユーザー、流通や取引先、自社の社員とその家族、コミュニティ、社会全体、環境と資源、そして株主、すべてのステークホルダーに対して責任を持ってフェアな活動を行なうこと」だと明言されています。ビジネスが社会に存在すべき理由を簡明に表現したこの社是は今でも、そしてこれからもあらゆるビジネスの指針になりうると思います。
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