すべての企業・商品はソーシャルな存在
一方、民間のビジネス活動も社会的意義を高める方向に大きく舵を切っています。「ソーシャルの時代」では、あらゆる情報が共有され、また従来ブラックボックスであった企業内の意思決定プロセスまでもが透明化されていきます。
かつて企業からのマーケティング情報を一方的に受容する立場だった消費者が、逆に商品や企業の背後にある意図を見透かす時代になっているのです。経営者にとっては恐ろしいことかもしれませんが、企業の内部でもソーシャルメディアを手に入れたことにより、社員と経営陣の力関係が逆転し始めています。
その結果、企業は従業員や消費者や社会全体に「有益な存在」として受容されなければ生きていけなくなっています。ですから、ユニリーバの紅茶「リプトン」のパッケージには小さなカエルのマーク(グローバル環境NPO「Rainforest Alliance」による認証マーク)が、スターバックスのコーヒー豆のパッケージには開発途上国支援NPO「Fair Trade」の認証マークがあり、ダノンやユニクロはバングラデシュで「ソーシャルビジネス」を展開し、コカ・コーラは「Live positively」を合言葉に、社会の持続的発展に貢献しようとしているのです。
まとめると、ソーシャル時代の企業活動や商品マーケティングとブランドが果たす役割は以下のようになります。
(1)その企業や商品が社会にとってプラスの存在であれば「社会的正統性」を認められる
(2)そこで初めて、適切な利益を上げることが許される
(3)上げた利益は企業や商品の成長に加えて、社会の持続的発展のために再投資される
(4)そのような活動の蓄積によって社会の未来が形成される
(5)これら一連の活動や企業・商品の存在意義を象徴するのがブランドである
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