定額の読み放題、権利者の「稼ぎ所」はどこか 「使われている」は、こうやって判断される
8月2日、日本でも電子書籍の定額制読み放題サービス「Kindle Unlimited」がスタートした。実は本コンテンツも、Kindleでも発行している関係上、Kindle Unlimitedの対象となっている。
さて、ここで問題。Kindle Unlimitedに代表される「定額制コンテンツサービス」は、どのように収益を分配しているのだろうか? 自分が作り手でない限り、意外と意識したことがない、という人がほとんどのはずだ。今回はちょっと、その辺の基本をご説明しておこう。
「使われた」ものにかぎり配分される仕組み
定額制コンテンツサービスでは、利用者からの売上がサービスを展開する事業者にプールされ、契約に基づいた「コンテンツ利用料」が権利者に配分される形になっている。額については契約によってまちまち。サービスごとに決まったルールはあるが、交渉によって変化することもある。ここでは「いくらか」には触れないこととする。
コンテンツ利用料は、「定額で見られるコンテンツとして登録されている」だけでは、通常、配分されることはない。サービス内でコンテンツが「使われた」ものに限り配分される仕組みになっている。「利用料」という立て付けだから、利用されたものにだけ配分されるのは当然といえる。
ただし、コンテンツの種類やサービスによって、「使われた」と判断される基準は異なる。
たとえば、前述のKindle Unlimitedの場合、一般的な出版社から提供される書籍・雑誌は「ダウンロード後、全体の10%以上が読まれたもの」が対象。一方でKindleへのセルフパブリッシングである「Kindle Direct Publishing(KDP)」コンテンツの場合には、「ダウンロードされたもののうち、読まれたページ数の量から算出される値(Kindle Edition Normalized Pages、KENP)に比例」する形で配分が行われる。
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