前回は中国がアフリカ各国の国家プロジェクトに積極的にかかわっていることを紹介した。第2回は、自動車や携帯電話などの企業が次々に進出していることをリポートする。中国国内の人件費上昇、中国市場が飽和状態にあることなどが進出の理由だが、巨大になる可能性を秘めたアフリカの消費マーケットに向けての先行投資という意味合いもある。
エチオピアにも多くの中国企業が進出している。中国の大手靴メーカーである「華建」は2011年にエチオピアに最初の工場を建設。今ではアディス・アババ郊外にある中国が造成した工業団地にある工場で靴の生産と輸出をしている。アフリカへ積極的に進出している携帯電話メーカーの「テクノ」も2011年にエチオピアに工場を構えた。また自動車メーカーの「力帆汽車」は2009年、「吉利汽車」は2011年、「第一汽車」は2012年にエチオピア国内での組立を始めている。
日本の中古車が市場を席巻
現在のところ、アフリカの自動車マーケットは、トヨタをはじめとする日本メーカーの中古車が席巻している。しかし、中国車の新車の数も徐々に増えている。日本の中古車から比較的安い中国車に買い替える人たちが増えているのだ。
エチオピアでは中古のカローラは40万~50万ブル(約200万~250万円)。力帆の新車はカローラの中古車より安く、36万ブルだ。カローラの新車と比較すると半額で買える値段だ。
力帆は華建の工場がある工業団地内の組立工場で年間500~1000台を生産し、販売している。力帆の最近の大きなビジネスはアディス市内の青色タクシー納車の契約を取ったことだ。今年中に市内を走行する約4000台のタクシーのうち820台が今の古いトヨタやロシアのラーダから力帆車に切り替わるという。車両はすべて中国からの輸入で、総費用800万ドルだ。
「トヨタもロシアのラーダもこの仕事を取りたかった。でもトヨタ車は高すぎて、タクシー組合が選ばなかった。それに我々はローダと違い修理工場もあることも有利だった」と流暢な英語で話すのは力帆のエチオピア支店の副支店長のマー・チュンだ。
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