エチオピアの首都、アディス・アババから車で約4時間南にある南部諸民族州の州都アワサからさらに1時間半の工事現場では、国営エチオピア電力会社の事業である新変電所の建設が今年1月から行われている。
この事業を落札したのは第1回でも触れた国営企業の中国CAMCエンジニアリングで、同社の下請けの中国の会社が中国から来た約10人の労働者たちと、付近の村から集められた20~30代のエチオピア人約60人の現場監督をしている。
建設現場は近辺を木々が囲む広大な土地。中国人は測定など一定の技術が必要な仕事をし、エチオピア人はネジ止めやコンクリートの砂利を運ぶなどの単純作業に汗を流す。中国人は青色の作業服とヘルメットを身につけているが、エチオピア人はジーンズなど私服にヘルメットだ。
給料は中国で働いている時の2倍
工事現場の敷地内の隅にはプレハブの宿舎が2棟建つ。宿舎の部屋の中には蚊帳がつられたベッドが並ぶ。現場で働く中国労働者は地方の町村の出身で、もともと建設現場で働いていた人たちだ。プロジェクト・ベースで6~12カ月の契約で働きに来ている。給料は少なくとも中国で働いている時の2倍だという。それに加えて宿泊、食事、航空チケットすべて会社持ちだ。
そのうちの一人、測定技師で吉林省出身、30歳のリユ・シャオピンはエチオピアに今年1月末、1年契約で来た。それ以前はケニアで2年間中国企業の建設現場で働いていた。雲南省の建設現場で9年間働いた経験を持つ。
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