「記憶力日本一の男」流、忘れない力の鍛錬法

脳が「覚えやすい形」に情報を加工してみよう

池田:「テスト」は重要です。皆さんおそらく経験があると思いますが、教科書にマーカーを引いて、「これはすぐ覚えられた」と思ったものって、あとあと案外覚えていないことが多い。それは「もう覚えた」と脳が勘違いしてしまうため、復習をしなくなることが原因です。

で、それを確認するためのものがテストであり、試験。「覚えていた・いなかった」の結果を突き付けられること自体が経験になります。また、家族や友達に覚えた情報をアウトプットすることも有効です。

鬼頭:なるほど。仕事のTo Do管理などにも役立ちそうですね。

池田:そういった場合にもエピソード記憶を応用できます。たとえば「今日は牛乳を買って帰る」と決めたら、頭の中で自分がコンビニで手に牛乳を持って立っている姿をイメージします。その風景、イメージを、帰りに寄りたいコンビニの前を通ったときに、グッと集中して焼き付けるんです。そうすると、帰りにそこを通るとき、違和感を覚えるんですよ。僕はそんなワザを日常的に使っていますね。

鬼頭:To Doではないですが、僕はテレビのリモコンをよくなくします(笑)。物理的にはなくなるはずがないのに、なくなるんですよ。

池田:記憶するにあたっていちばん重要なのは「覚えようとする意思」です。モノを置き忘れるのは、いちいち「ここに置こう」「覚えておこう」というスイッチを入れないからなんですね。だから、ちょっと不気味ですけど、「いま、僕はカギをここに置いたぞ。覚えておくぞ」とか言いながら去っていくと、きちんと覚えていたりしますよ。

複数の問題集より、1冊の繰り返しを

鬼頭:あと、個人的な悩みなのですが、ビジネス書などを1冊読み終えたときに、自分の中にちゃんと知識として残っているのだろうか……と感じることが少なくないんです。

池田:小説ではなく、読んだ知識を何かに生かす目的の読書については、やっぱり「繰り返し」しかありません。記憶は、結局どれだけその情報に触れたかという部分が大きい。その覚えた知識で実際に何かをやってみる、自分自身で使ってみるということをしない限り、自分のものにはならないと思います。エピソード記憶に近い考え方ですが。

鬼頭:勉強における記憶だったら、新しい問題集に次々トライして記憶を試すのと、何度も同じ問題集をやるのとでは、どちらが効くものなのでしょう? 自分の経験上は、後者のような気がするのですが。

池田:僕もそう思います。1冊を強く記憶に定着させたほうが、エピソード記憶化しやすいですよね。

鬼頭:とはいえ、一度しっかり覚えた記憶も、必ずどこかで衰退してくるものではないんでしょうか。

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