尖閣防衛に黄信号?「米軍完全撤退」のリアル プレストウィッツ氏と小原凡司氏が徹底討論

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仮に中国があからさまに力の行使を行ってくるならば、それは力によってしか止めることができないように思えます。そうであっても、アメリカは関与しないという選択はあり得るのでしょうか。

米軍が日本から撤退する日

プレストウィッツ:その問題に対して、アメリカには大きく言って2つの考え方が存在しています。ひとつは従来型の伝統的な考え方で、アメリカは世界の警察官であり続けるという考えです。現時点ではこちらのほうが支配的ですが、日本、韓国、フィリピンとの同盟を維持しながら、西太平洋はアメリカのコントロール下に置くというものです。軍事力の強化も継続して行っていきます。中国に対しては第一列島線を防衛ラインと考え、南シナ海を中国が支配しようとすれば、断固これを叩くべきというものです。

もうひとつの考え方は、従来型の防衛政策とは異なるもので、西太平洋、とくに中国近海においてアメリカ軍の優位性を維持するのが困難になってきており、この先はもっと困難になっていくという見方をベースにしています。中国は猛烈な勢いで海軍力を増強し、対艦ミサイルなどの配備を強化しています。そのような中で、アメリカ軍がそれらを上回る軍事力、防衛力を維持しようとするならば、膨大なコストを負担しなければならなくなります。

彼らは、アメリカ本土から遠く離れた中国近海でアメリカ軍のプレゼンスを維持することが本当に必要なのか、と考えています。距離的に遠くてよく理解していないという面は大きいでしょうが、日本人が感じているほどアメリカ人は中国を脅威には感じていません。中国がアメリカに攻めてくるなど誰も思っていないのです。にもかかわらず、なぜ多額の税金を投じてアジアに軍を展開する必要があるのかと、国民の多くが疑問に感じています。極端なグループは、もうアジアから軍を引き揚げ、海兵隊の基地は沖縄ではなくグアムに、第7艦隊の基地は横須賀ではなくハワイにすればよいではないかと主張しています。

――日本からの完全撤退ですね。そうなれば、日本の安全保障体制は抜本的な見直しが必要となりますね。

プレストウィッツ:私がもし、日本人であるならば、自国の国防・防衛というものについて、ここで真剣に考えると思います。アメリカ海兵隊の基地は沖縄ではなくグアムに、第7艦隊の基地は横須賀ではなくハワイに移ってしまった場合、アメリカは西太平洋におけるプレゼンスを縮小して、もう主役ではなく「従」の存在となろうとしているということです。仮に中国と周辺国との間で紛争が起こった際にも、まずは日本や韓国、フィリピン、ベトナムなどの当事国が中国に対峙せよ、となるでしょう。

そうなった場合、日本は法的な問題はもちろん、軍事・防衛力の整備についても具体的に議論していかなければならなくなります。

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