尖閣防衛に黄信号?「米軍完全撤退」のリアル プレストウィッツ氏と小原凡司氏が徹底討論

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プレストウィッツ:同盟国間のネットワークに重心を置くべきだという主張は正しいと思いますし、おそらくはその方向に向かっていくでしょう。NATOのような集団を除いて、単独の国という意味では、日本はアメリカにとってもっとも重要な同盟国です。それはドイツや英国よりも重要な存在です。アメリカのアジア政策は日本にかかっていると言っても過言ではありません。

しかし、その日本がまったく活力を失い、多くの若者が将来への希望を失ってしまっている。アメリカの知日派と言われる人のほとんどが、アメリカにとっての最重要国がこのままでよいのかと忸怩(じくじ)たる思いでいます。私の本を読んで、日本の方々に早く目覚めて欲しいと思っています(笑)。

日本の最優先課題は人口問題

――安全保障問題以外にも、ご著書の中で日本が直面する危機について、多くの指摘をされています。その中で日本が最優先に取り組むべき課題をひとつ挙げるとすれば何でしょうか。

プレストウィッツ:日本が取り組むべき最重要課題は、人口問題です。人口が縮小し高齢化が進む社会では、活力を取り戻すことはきわめて難しくなります。この問題に対して何も手を打たないのは自殺に等しい行為です。

フランスやスウェーデンは対策を講じた結果、出生率が上昇しています。フランスは20年前から対策を講じています。そして、その対策が功を奏しています。

現在、ドイツの人口は8000万人、フランスの人口は6000万人で、経済的にもドイツがフランスを凌駕しています。しかし、2050年にはフランスの人口がドイツを上回り、人口ピラミッドでは高齢化するドイツに対して、フランスはバランスのとれた人口構成となります。そうなれば、産業のイノベーション等の要素もありますが、私は独仏の経済関係は逆転するのではと見ています。それくらい人口問題は国家の盛衰を大きく左右するものです。したがって、日本も最優先でこの問題に対処すべきなのです。

(撮影:尾形 文繁)

東洋経済新報社 出版局
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