尖閣防衛に黄信号?「米軍完全撤退」のリアル プレストウィッツ氏と小原凡司氏が徹底討論
――プレストウィッツさんの著書は、単なる予測の書ではなく、日本がなすべき課題とその処方箋が具体的に提示されていて、少子化対策や女性の社会進出を含む雇用改革、英語教育の問題やエネルギー問題など多くの課題をクリアできれば、2050年の日本はアメリカに肩を並べる大国になるというシナリオを描かれています。しかし、それを実現するためには、国民の大きな意識改革が必要になると思います。たしかに過去の明治維新、戦後の経済復興においては、日本は危機を好機に変えることができましたが、今回もそのような改革が本当にできるのでしょうか。
変革にはカリスマ的リーダーが必要
クライド・プレストウィッツ(以下、プレストウィッツ):正直なところ、現在の状況においては、大きな改革が成し遂げられる可能性は低いかもしれません。歴史に名を残すような強力なリーダーシップ、カリスマ的なリーダーの登場がなければ、国民の意識改革を喚起することは難しいでしょう。
なぜなら、日本の国民の多くが現在の生活におおむね満足していますし、日本に投資したいと思う海外企業も依然数多く存在します。日本人だけではなく、世界の人たちも日本はいまだ良い国、強い経済の下にあると思っているのです。
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