尖閣防衛に黄信号?「米軍完全撤退」のリアル

プレストウィッツ氏と小原凡司氏が徹底討論

尖閣問題を左右する「米軍の決断」について、日米の専門家が語り合った
尖閣近海や南シナ海における中国軍の威圧的な行動は、西太平洋地域における最大の懸念材料となっている。これまで世界の警察官として国際秩序を取り仕切ってきたアメリカも、中国軍の動きに対しては逡巡しているように見える。急ピッチで軍事力の増強を進める中国に対して、アメリカ国内では軍事支出の圧縮を望む声が圧倒的で、アジアからの撤退を主張する識者もいる。
そうした不透明な状況の中で、日本はどのような安全保障政策をとり、防衛体制を築いていけばよいのか。話題の書『2050 近未来シミュレーション日本復活』の著者クライド・プレストウィッツ氏と、中国の軍事動向に関する国内第一人者である東京財団の小原凡司氏が、いま日本人がもっとも懸念すべき問題について論じ合った。進行は、東洋経済記者の西村豪太が務めた。

 

――プレストウィッツさんの著書は、単なる予測の書ではなく、日本がなすべき課題とその処方箋が具体的に提示されていて、少子化対策や女性の社会進出を含む雇用改革、英語教育の問題やエネルギー問題など多くの課題をクリアできれば、2050年の日本はアメリカに肩を並べる大国になるというシナリオを描かれています。しかし、それを実現するためには、国民の大きな意識改革が必要になると思います。たしかに過去の明治維新、戦後の経済復興においては、日本は危機を好機に変えることができましたが、今回もそのような改革が本当にできるのでしょうか。

変革にはカリスマ的リーダーが必要

『2050 近未来シミュレーション日本復活』(上の書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)

クライド・プレストウィッツ(以下、プレストウィッツ):正直なところ、現在の状況においては、大きな改革が成し遂げられる可能性は低いかもしれません。歴史に名を残すような強力なリーダーシップ、カリスマ的なリーダーの登場がなければ、国民の意識改革を喚起することは難しいでしょう。

なぜなら、日本の国民の多くが現在の生活におおむね満足していますし、日本に投資したいと思う海外企業も依然数多く存在します。日本人だけではなく、世界の人たちも日本はいまだ良い国、強い経済の下にあると思っているのです。

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