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中国経済が苦況に立たされている。数十年間にわたりGDPの2ケタ成長を続けてきたが、今や停滞を余儀なくされている。かつて途上国の手本ともてはやされたが、経済システムは硬直化し、国民も不満を募らせている。「チャイニーズドリーム」はただの夢だったのではないかと不安に感じているのだ。
もはや既存の政策の組み合わせだけでは、課題を解決することはできない。より抜本的な改革に踏み出すべきであろう。そこでは長期的な目標のために、短期的な成長スピードを犠牲にする覚悟も必要だ。
だが、包括的な改革の取り組みは、経済的な決定だけでは推進できない。中国はさらに、周囲からどのように見られたいかという理想と、実際に世界の目にどう映っているかという現実の間に隔たりがある事実を直視しなければならない。国際舞台での自国の行動や外交関係の多くが、イメージ上、かつ経済的にも深刻なリスクとなっていることを認識すべきだ。
南シナ海での行動は周辺国を明らかに侮辱
たとえば南シナ海において、中国は自らの主張を通そうと「核心的利益(その追求のために武力の使用も辞さない利益)」という言葉を使用している。しかし、これは明らかに南方の近隣国への侮辱である。
中国の政府関係者は、自国こそが同地域で虐げられていると主張している。たとえば、ベトナムとの争いを避けるために漁船団を引き揚げさせたところ、中国が放棄した海域の権利をベトナムの漁師が主張してきた、などと言い張っている。
こうした威嚇行為を続けて、中国の立場は強まるのだろうか。中国には、その気になればベトナム、フィリピン、マレーシア、インドネシアを含め、東南アジアのほぼすべての国を排斥できる力があるはずだ。にもかかわらず、19世紀的なアプローチによる利益追求を続けては、近隣国との関係を傷つけかねない。
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