戦国武将たちも愛でた、茶道具の愉しみ方 庭のある美術館で、お茶の心にふれる

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光琳、乾山兄弟の合作

 

「色絵福寿文手鉢」尾形乾山作 江戸時代(18世紀) 畠山記念館蔵

光琳の5つ下の弟、尾形乾山は、陶工で絵も描いた。乾山の「色絵福寿文手鉢」は、おめでたい「福」と「寿」の字を模様にした楽しい器。よく見ると、取っ手の上部の「福」の字の隣に、吉祥の印であるコウモリが描かれている。内側がまたすてきで、つややかな葉を思わせる緑色の地に、白抜きの椿の花が咲いている。

「銹絵染付火入 銘赫々」尾形乾山作、尾形光琳絵 江戸時代(18世紀) 畠山記念館蔵

光琳と乾山の兄弟は、しばしば合作もした。六角形の「銹絵染付火入 銘赫々」は、乾山がやきものを作り、光琳が梅の絵を描いている。黒褐色の銹絵で描かれた枝と、花の中心の青い染付の組み合わせが面白い。

次は乾山が作陶を学んだ師、野々村仁清の作品を見てみよう。大胆に穴を開けた「水玉透鉢」はどんなときに使ったのだろうか。上から見ると口が花の形になっている。

「水玉透鉢」野々村仁清作 江戸時代(17世紀) 畠山記念館蔵

水田さんは、「ろくろの技術、穴を開ける技術など、非常に高い技量が必要とされる作品です。白い釉薬を雪に見立てて、今の季節に出品しました。透かしを通して、いろいろな角度から楽しんでいただけると思います」と、解説する。

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