2010(平成22)年1月に会社更生法を適用した日本航空(※以下、JAL)は、京セラ創業者・稲盛和夫氏の指揮の下で見事にV字回復を遂げ、ついに2012(平成24)年9月、再上場を果たしました。ただ、ここで同社の業績アップに焦りを感じた全日本空輸(※以下、ANA)からは、「JALは破綻処理によって、優遇されすぎているのではないか」という批判が出始めています。
この背景には、多くの要因によって業績に差がついてしまった2社の姿がありました。今回は、JALとライバル企業である全日空(※以下、ANA)の財務内容を分析してみたいと思います(編集部注:今回は資料が一段と充実しており、印刷を行うなどしてお読みになることをお勧めします)。
破綻後自己資本比率が大きく改善、身軽になったJAL
まず、JALが破綻する前の平成21年3月期 第3四半期決算を見ながら、当時の状況を分析してみましょう。破綻前(2008(平成20)年12月31日)の貸借対照表によると、この時、中長期的な安全度の目安である自己資本比率(=純資産÷資産)は、11.6%と低水準でした。
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