木本:変わっている学生の塊のなかでも、特に変わっていたのが卜部さんだったと。そういう人が、新しいことを作るんですよね。そういうふうに中学生に教えるんですか?
瀧本:世の中は変わるから、自分でそういう風に変えよう、ということを伝えています。
ニュートンは下から2番目の劣等生だった
木本:ひと握りの変わった人が成功するんだ、新しいことを作るんだ、というのは漠然とわかります。でも、どんな「変わった人間」になるのかが難しい。
瀧本:基本的には他の人と違うことを考えるのがいい。新しく成功することというのは、他の人が「絶対ムリ」と言ったり、「そんなのありえないから」と思われることをやれる人。そういう人になれと教えます。
それだけでは説得力がないので、みんなが知っている有名人、偉人など、学校の先生が「この人は偉人だからみんなも参考にしなさい」という人について書いています。ただ、どの人も、先生が認めた「いい子」ではない。当時は誰もが「やめておけ」といったことをやった人が、100年後に先生も認める偉い人になっている。
木本:通信簿があったとしたら決していいことが書かれていない人だと。
瀧本:たとえばアイザック・ニュートン。学年で下から2番目で、みんなからバカにされて、「ちきしょう」と思って、頑張って勉強をしたらすごくなってしまった。ほかにも昨年ノーベル賞(医学・生理学賞)を受賞された大村智教授は、高校大学時代はスキーしかやっていなかった。そんな人が途中で考え方が変わって猛勉強して、結果的にノーベル賞に到達するのです。
木本:ある種の問題児こそが世の中で活躍する人になれるというのを、伝えるのは難しくないですか。
瀧本:なので、ポップな表紙にしたり、絵を増やしたりとなどの仕掛けをいろいろとしています。
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