瀧本:自分の王道とはちょっとずれたことを混ぜてみる。それが後で役に立つ。
木本:45歳の僕でも、これからできることです。
瀧本:そうなんですよ。『ミライの授業』は14歳をターゲットにしましたが、実際にはその親世代とか、60歳を超える方から「感動しました。これから僕の人生変えていきます」という感想が届いています。
木本:何歳になっても人間は変わりたいですからね。
伊能忠敬の真の目的は日本地図ではなかった
瀧本:伊能忠敬という日本地図を初めて作った人がいます。あの人は地図が作りたかったわけではなくて、千葉の佐原という町で、商売に成功して隠居したのち、違うことやりたいと思って、江戸に出て地図を始めたんです。
木本:地図をいつか書くぞと思って育ってきたわけではない。
瀧本:違います。そもそも地図を書くというのもおまけなんです。本当の目的は別にあった。
木本:ええっ。そうなんですか。
瀧本:それはここでは秘密ということで、本を読んで下さい(笑)。
木本:うまいこと購買につなげようとしますね。僕もこの対談を中断して、先生の本を読みたいですもん。
瀧本:その本当の目的を果たすためには測量をする必要がある。しかし、本当の目的を前面に出してしまうと幕府がおカネを出してくれない。だから、ロシアの南下に対抗するために蝦夷地の正確な地図を作る、という目的にして許可を得ることに成功した。これは、伊能忠敬の師匠である高橋至時との共同作業でした。
木本:地図は本来の目的の副産物であったと。伊能さんはすごいですね。しかし、こういう偉人は特別だと思っている人が多いですよね。もうだいたいのモノは作られているから、今から自分が新しいモノを作り出すなんてできない、と考えがちです。
瀧本:そんなことはない。まだまだ新しいモノは作れますし、夢だってたくさんあるんです。
(構成:高杉公秀、撮影:今 祥雄)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら