年金の基本を知ると「損得」まで見えてくる! 意外と知らない「5つの超常識」

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5. 国民年金の未納期間、年金はどれだけ減る?

本来、年金は1日の空白もなく加入しなければならないのですが、事情があったり忘れていたりして、保険料を払っていない時期があるというケースは結構ありますよね。学生のときに免除申請を忘れていてそのまま、ということも少なくないのではないでしょうか。

会社を退職して再就職するまで国民年金を払わずに未納となってしまっているケースもよくあります。

覚えておくと便利な計算式

当然、未納期間があれば、将来の年金はその分減らされるわけですが、国民年金の場合は、どのくらい減額されるか気になりますよね。それは、以下の老齢基礎年金の計算式で計算することができます。

老齢基礎年金額=78万100円×保険料納付月数÷480月(免除、半額納付等がないケース)

例えば、なかなか就職できず1年間未納だったケースは、

78万100円×468月(480-12)÷480月≒76万597円になるので、満額で受給する場合より年額で約2万円、月額で約1600円少なくなることになります。

この計算式は、簡単なので覚えておくと便利だと思います。

ちなみに、会社を退職して所得が少なく、「国民年金保険料を払えない」といったときは、保険料免除や納付猶予が活用できる場合があります。未納と免除では、将来の年金の反映のされ方はもちろん、万が一障害などを負ったときなどでも大きな差があります。万が一、保険料を払えない場合は、免除などを活用できるので覚えておくといいです。

なお、国民年金が未納だった期間については、2年前までさかのぼって支払うことができるので、ご自身の将来の年金を少しでも増やしたい方はできる限り納付して頂くことをお勧めします。(平成30年9月までは、5年前までさかのぼって支払うことが可能)

年金は、知らないと損をすることがたくさんあります。まずは、誕生月に届く年金定期便や『ねんきんネット』を活用し、ご自身の年金記録をじっくり確認してみてはいかがでしょうか。

武澤 健太郎 大槻経営労務管理事務所社員役員、特定社会保険労務士

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たけざわ けんたろう

社会保険労務士法人 大槻経営労務管理事務所 労務コンサルティング事業部執行役員(銀座第3室室長兼務)。2011年9月に経営労務監査プロジェクトのプロジェクトリーダーとして、数多くの労務監査を手掛ける。2012年5月に特定社会保険労務士を付記するとともに、多数のクライアントより個別労使紛争を含む労務相談を受ける。そして、2013年9月には、海外進出プロジェクト担当リーダーに就任し、アジアを中心とした海外進出に必要な労務管理、労働社会保険のアドバイスを積極的に行っている。
 

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