年金の基本を知ると「損得」まで見えてくる! 意外と知らない「5つの超常識」

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老齢厚生年金の計算式は細かい話になるので今回は割愛しますが、仕組みとしては、加入していた時の平均の標準報酬月額(ひょうげつ)、賞与、加入していた長さ(期間)によって、将来の老齢厚生年金の金額が決まります。そして、この「ひょうげつ」が、実は厚生年金では62万円を上限としているのです。

そのため、冒頭の事例で、Aさんが月給65万円でBさんは300万円と月給で比較すれば5倍近く差があるのですが、年金のベースとなる「ひょうげつ」は、2人とも「62万円」となるため差はつきません。給与から控除される保険料も同じなので、将来の年金額にもそこまで差がなかったというわけです。

新卒から今まで加入してきた「ひょうげつ」と賞与(1カ月の上限は150万円)の差は当然ありますが、みなさんが思うほど社長の年金は高くないかもしれません。

なお、先ほどから何度も登場している「ひょうげつ」は、社会保険の事務処理を簡略するために考えられた仕組みで、給与をおよそ1万円から6万円の幅で区分した等級のことです。年金に限らず、社会保険のあらゆる場面で使われる重要なキーワードとなるので、頭の片隅に入れておくと損はないです。(なお、詳しくは過去記事『給与が減ったと思ったら「この表」を見よ!』をご覧ください。)

厚生年金と国民年金

2. 会社員も国民年金に加入している!

突然ですが、会社員は国民年金にも加入していることを知っていますか。

実は、会社員は厚生年金だけでなく、国民年金にも加入しています。意外に知らない方も多いのですが、イメージとしては、1階に国民年金、2階に厚生年金の2階建ての年金制度となっています。

給与明細を見ても、厚生年金保険料だけが控除されているので、勘違いしがちですが、会社員は厚生年金被保険者なのですが、国民年金第2号被保険者でもあるのです。つまり、年金を厚生年金と国民年金の両方からもらえるということになります。結果的に同じ収入であっても、国民年金加入の自営業の方より、会社員のほうがもらえる年金額が多くなるともいえます。

ここで知っておくと得する豆知識をご紹介します。国民年金保険料は、毎月定額で月額1万6260円(平成28年度)ですが、厚生年金保険料は例の「ひょうげつ」に応じた保険料であり、それを個人と会社で折半負担しています。そのため、標準報酬月額の金額によっては、国民年金より保険料が安くなる場合があります。

例えば、「ひょうげつ」が18万円であれば、月額1万6045円(平成28年8月まで)なので、「ひょうげつ」が18万円以下の場合は、国民年金保険料より安い厚生年金保険料で、将来厚生年金分が上乗せされてもらえることになります。

平成28(2016)年10月からパート等に社会保険が適用拡大されることになっていますが、現在、国民年金保険料をご自身で負担されている方の中には、会社の社会保険に加入した方がお得になる方もいるわけですね。

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