実際、求愛してくる女性の中には、はっきりと「お医者さん(=お金持ち)と結婚することが目的」という人がいます。“結婚したらこっちのもの”とばかりに家計をコントロールし、夫の財布を握るわけです。ちなみに前述の医師は、通勤中に演歌を歌って気晴らしするのが唯一の楽しみだそうです。
医師は結婚相手としてはおそらく最高ランクに属し、医師と出会えることをうたい文句にした結婚サービス会社も多数存在します。出会いの場としては悪くないと思いますが、女性たちの積極的なアプローチに安易に乗ってしまうと、それが貧乏ドクターにつながる一歩だったということになるかもしれません。
医師の可処分所得は意外に少ない
平均年収1500万円というと、一般のサラリーマンから比べるとものすごい額ですね。年収が同等かそれ以上の人はおそらく労働人口の2~3%にも満たないのではないかと思います。とはいえ、医師といってもなりたての頃はせいぜい300万~400万円。その後2~3年で700万円ほどで、そこまでのキャリアを見ると一般のサラリーマンとそれほど差がつくわけではありません。
では、いつから医師が稼ぎ始めるか。それは5年目以降になります。民間病院に勤務するといきなり1000万円超えにハネ上がるわけです。自分の努力や結果などに反映された数字ではないのです。そのため何となく増えた額を消費していってしまう。医師を見ていると、この時期にしっかりとした金銭感覚を持たないと、その後の生活に影響を及ぼすような気がします。
またサラリーマンにも同じ傾向がありますが、医師は自分の給与の内訳をあまり知らないという現実もあります。
額面の給与が1500万円だとすると、所得税率は33~40%、住民税を合わせれば45%くらいになり、そこから社会保険などが消えていきますし、それ以外にも学会の年会費や大学の同窓会費などが発生します。そして、年収の高さゆえ、妻や子どもとの食費や旅行費を豪勢に使ってしまい、結局何だかわからないうちに、手持ちのおカネは残らない。
実際、医師のキャリアコンサルタントとして、将来的に開業を考えている先生に、今、貯金はありますか? と聞いてみると、皆さん驚くほどおカネを持っていません。額面としての収入は高いけれども、実際の控除額や家計における支出額が予想以上に多く、それゆえ“実は俺って貧乏ドクターなんじゃないの?”と思う医師もきっと多いと思います。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら