また、クライフは試合で4−0など大差をつけてリードしているときは、「シュートをゴールマウスのバーに当てて、観客を楽しませるべき」と考えている。「4−0を5−0にするよりも、バーに当てた方が観客にとって魅力的」というのが理由だ。
ルールを課されようが、真剣勝負の試合だろうが、遊び心を忘れず、自分自身が楽しむのがクライフ流である。
クライフと本田圭佑の共通点
日本サッカー界を見ると、本田圭佑がこれに近いことを実践している。本田は“まわりを驚かす”ことをつねに意識していると言う。
「サプライズは自分の性格の一部。身近な人間であればあるほど、驚かすことにこだわっている。たとえば家族に対して、毎回サプライズを与えたりしているよ。父親にだったら、『自分の息子はこういう人格だ』って思っている上をつねに行きたいって思っているし。『いつまで経っても読めへん』というのは、最高の褒め言葉。それをトライしているわけやから。慣れられたくない。飽きられそうだし」
帰国するときは必ず個性的なファッションで空港に登場し、出発の際に真っ赤なフェラーリで現れたこともあった。昨年5月には日本代表における背番号を突然「18」から「4」に変更して、メディアやサポーターを驚かせた。つねに見ている人たちを楽しませようとする遊び心が感じられる。
余裕がなければ、遊び心は持てない。逆に、遊び心を持とうとすれば、余裕とユーモアが生まれる。さらに運が良ければ、ぶっ飛んだ発想も一緒についてくるかもしれない。
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