アップルCEOの母校の、超プレゼン特訓法 米国人のプレゼンは、ジョブズ並みって本当?

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「デュークでは、チーム全員で話し合いながら進めていきますが、インドでは完全に個人プレー。仮にチーム全体に課題が出されても、『今回の宿題は私』『次回はあなた』というふうに交代制。

全部自分1人でやることが基本で、チームで話し合うということは、デュークに比べると圧倒的に少ないですね。個人の成績が就職に直結することもあり、学生同士の競争も激しく、徹底した個人主義には驚かされました」

デューク大学フュークアビジネススクール
アメリカ東部ノースカロライナ州、デューク大学の経営大学院。1969年創立で米トップビジネススクールの中で最も新しい学校の1つ。学生数は1学年約450人、留学生比率40%と多様性を重視した校風。ヘルスケア、環境分野などのプログラムが充実していることでも有名。アップル社の現CEO、ティム・クック氏の出身校でもあり、同社へ就職する学生も多数。グローバルプログラムにも積極的に投資しており、2014年より中国崑山校が開校予定。 http://fuquajapan.com/

そうはいうものの、一緒に時間を過ごせば、親しい友人もできる。学生寮のルームメートを含め、インド人とのネットワークは確実に広がった。

「ルームメートからは『ビジネススクールは、ホントのインドじゃないよ』とよく言われます。確かに5つ星ホテルの真横にスラム街があり、その横を牛が通る国です。高級ホテルのような寮の設備は、この国では特殊な部分だということが、インドを旅してみてよくわかりました。

想像を超える格差社会の中で、勝ち抜いてきたトップ層はものすごく優秀。この留学でできたネットワークは10年後、20年後、僕の財産になると思います」

インドで「どこでも生きていける自信」が高まったという大橋さん。卒業後は、起業するか、日本企業のアジア進出を手伝うか検討中とのことだが、どんな形であれ、インドとはかかわっていきたいとのこと。

協調的なデュークと、個人主義的なインドのビジネススクール。2つの異なるMBAを体験した大橋さんはどのような選択をするのか。卒業を迎える今年の春が楽しみだ。


 

佐藤 智恵 作家・コンサルタント 

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さとう ちえ / Chie Sato

1970年兵庫県生まれ。1992年東京大学教養学部卒業後、NHK入局。ディレクターとして報道番組、音楽番組を制作。 2001年米コロンビア大学経営大学院修了(MBA)。ボストンコンサルティンググループ、外資系テレビ局などを経て、2012年、作家/コンサルタントとして独立。主な著書に『ハーバードでいちばん人気の国・日本』(PHP新書)、『スタンフォードでいちばん人気の授業』(幻冬舎)、『ハーバード日本史教室』(中公新書ラクレ)、『ハーバードはなぜ日本の「基本」を大事にするのか』(日経プレミアシリーズ)、最新刊は『コロナ後―ハーバード知日派10人が語る未来―』(新潮新書)。公式ウェブサイト

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