アップルCEOの母校の、超プレゼン特訓法 米国人のプレゼンは、ジョブズ並みって本当?

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コンペの結果は、145チーム中、67位といま一つだったが、3日間に及ぶコンペを終え、先生と打ち上げをやることになった。落ち込んでいた学生を励ますかのように、シャンさんは言った。

「結果は残念だったけれど、戦略はすばらしかったと思う。設定ミスさえなければ、必ずトップ10に入っていたはずだ。それに、世界の製造業を担う国から来ている君たちが、それぞれ知恵を出し合ったんだから、最高のチームだったと思うよ」

大橋智宏(おおはし・ともひろ)
1980年岐阜県生まれ。2003年一橋大学商学部卒業後、中央青山監査法人(現あらた監査法人)に入所。国内上場企業及び外資系企業の会計監査を担当し7年間勤務した後、退所し、独立。2011年7月米デューク大学経営大学院(フュークア)留学、2013年5月MBA(経営学修士)取得予定。公認会計士

ひとしきり、学生たちを励ますと、シャンさんは、ちょっと心配そうに「この1年間はどうだった?苦労したことは? 」と質問してきた。

全員、口をそろえて「英語のコミュニケーションで相当苦労しました」と言うと、シャンさんは、自分がどれだけ努力して、人気教授の地位に上り詰めたか、身の上話を始めた。

シャンさんは20代でアメリカにMBA留学するまで、ずっと台湾で暮らしていた。カリフォルニア大学アーバイン校で博士号を取得した後、大学講師としてアメリカに残ることになったが、最初の赴任地、デューク大学での講義は最悪なものだったという。

英語があまりにも下手だったために、学生から最低点の評価をつけられ、解雇寸前に追い込まれたのだ。

シャンさんは、そのとき手掛けていたあらゆる研究をストップし、6カ月間、ひたすら英語で授業の予行演習をしたのだという。デュークのクラスは、2時間の授業が12コマ分。合計24時間分の授業を全部セリフにして、覚えたのだそうだ。想定問答や冗談まで、全部セリフにしたという。

セリフはネイティブにチェックしてもらい、奥さんを相手に想定問答の特訓まで行った。そして、6カ月後に始まったオペレーションの授業で、学生からトップランクの評価を得たという。クビ寸前からの大復活だった。

シャンさんは、言う。

「君たちは英語に限らず、この先、多くの困難に直面すると思う。そんなときは、ひとつのことにフォーカスし、謙虚に、『これでもか』というほどストイックに、努力しなさい。そうすれば必ず道が開けるよ」

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