「プレゼンは、事前の準備と特訓がすべてではないでしょうか。原稿もメモも持たないのが、こちらのプレゼンの基本ですから、プレゼンコメントはもちろん、想定される質問に対する答え、予期せぬ事態への対応コメントなど、すべて暗記してから、授業に出席しましたね。さすがに即興のお題のときだけは、つらかったですが」
大橋さんがこの授業の威力を感じたのは、夏休みにインターンとして外資系製薬会社で働いたときだ。
「英語でプレゼンテーションをする機会があったのですが、自分でも驚くほど、スムーズにできました。デュークで週に2回、4カ月にわたって、特訓した成果だと思っています」
英語のプレゼンテーションは、とにかく訓練することが大切。生まれ持った才能や、英語の能力を言い訳にしないで、実直に努力することの大切さを学んだ授業だった。
英語下手で解雇寸前…そこからの起死回生
渡米から半年も経ち、留学生活にも慣れてくると、ついつい楽なほうへと流れがちになる。そんな大橋さんの気持ちを再び引き締めてくれたのは、台湾出身のケビン・シャン助教授だ。
シャンさんは、デューク・フュークアでも指折りの人気を誇るオペレーションの先生。工場運営や物流ロジスティクスなどの専門家で、わかりやすい事例とウイットを交えた講義で、「Operation Management」(オペレーションマネジメント)は評判の授業となっている。
大橋さんがシャンさんと出会ったのは、MITスローンスクールのオペレーションクラブが主催するコンペ、Operations Simulation Competition(オペレーション競技会)に参加したときだ。
全世界から145のチームが、72時間にわたって、オンライン上でオペレーション力を競うコンペで、優勝賞金は3500ドル。ビジネススクールの学生が多く参加している。
大橋さんは中国人、台湾人、タイ人の学生とチームを組んでコンペに参加する際、オペレーションのプロであるシャンさんにアドバイスを求めに行ったのだ。
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