ポケモンGO、公開前のインドネシアで大熱狂 宗教指導者や当局の懸念なんて何のその
世界的な大ヒットを記録したスマートフォン向けゲーム「ポケモンGO」は、世界最多のイスラム教徒を抱えるインドネシアでも正式リリースの前から熱狂を誘っている。ポケモンのキャラ捕獲に夢中なプレイヤーには、宗教上の決まりや安全面での警告などは、耳に入らないようだ。
拡張現実(AR)アプリのポケモンGOでは、プレイヤーが現実世界の場所を歩きまわって、スマホ画面に現れるキャラを捕獲する。このゲームは瞬く間に世界中で人気となり、任天堂の市場価値をほぼ倍増させた。
しかし、誰もが喜んでいるわけではない。
サウジアラビアのイスラム教聖職者団体である高位宗教学者協会は、ポケモンのカードゲームが反イスラムだとする宗教令(ファトワ)を15年ぶりに更新した。ギャンブルなどを促す懸念があるためとしている。ただ、このファトワは、ポケモンGO自体には言及していない。
「中毒の可能性」はあるが
インドネシア・イスラム法学者会議(MUI)の幹部Amidhan Shaberah氏はロイターに、MUIはポケモンGOに関する公式見解を示してはいないと説明。ただ、ゲームというものは「恩恵よりも害悪」をもたらし、仕事や学業を犠牲にして人々を「中毒にさせる」可能性があると語った。
インドネシアのメディアによると、同国の保安当局者は、ポケモンGOを通じて外敵が機密の衛星データを収集する可能性があると指摘。大統領府内でのプレイを禁止した。
このゲームを任天堂と共同開発した株式会社ポケモンの広報担当者は、ポケモンGOについて、社会悪を助長するのではなく、楽しんでもらうために開発したと述べている。