2017年卒業予定の学生たちの7月1日時点での就職内定率は70.8%(リクルートキャリア「就職みらい研究所」)。新卒の採用活動を終了する企業もある一方で、内定を辞退する学生も少なくありません。
5年ほど前と比べて、新卒採用における内定出しや辞退には、構造変化が起きています。2011年卒生と昨年の2016年卒生の調査結果を比べてみると、採用予定者数に対する辞退者数の割合が、5年間で3.4倍にも膨らんでいることがわかっています。
採用予定者数に対する内定者数の割合も5年間で1.6倍となっており、企業がある程度の辞退者を見越して内定を多めに出すスタイルに変わってきていることがわかります。
採用難に苦しむ企業
また、2017年卒の大卒求人倍率(求人総数を民間企業就職希望者数で割った値)は、2016年の1.73を上回る1.74となり、ここ数年、上昇を続けています。
企業規模別に見ると、採用予定者数を上回る就職希望者がいるのは、超大手企業(従業員5000人以上)のみであり、求人数を座席にたとえるなら、企業規模が小さいほど、座席がたくさん余ってしまっている状態と言えるでしょう。
つまり、今は多くの企業にとって大変厳しい採用環境にあるということです。長年この就職・採用領域で仕事をしてきた私から見れば、最近の内定は、企業から学生への「オファー」の意味合いが強くなっているように思います。オファー=提示、申し入れですから、ある程度断られることも見越して多めに内定を出しているということです。
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