(3)過剰品質レベルのことをしている場合
思い当たる人も多いのではないでしょうか。たとえば、アイデア出しのミーティングのために、パワーポイントで精緻に作り込んだ枚数の多い資料を作ってはいませんか? お客様に見せるものではないので、そこまでは必要ありませんよね。関連記事などをざっと集めて、それを元にディスカッションすれば十分です。
報告書などはいったん立派に作ってしまうと、その後もその品質レベルで作成することが“当たり前化”していることがよくあります。日本人は過剰品質になりがちだと言われています。「あったらいいな」レベルの要求をずっと受け続けるのではなく、明確に「これはやらない」「ここまでのレベルにとどめる」など劣後順位を決めましょう。
仕事を移転する
次のConvertは仕事を移転する、つまり自分がやらないことを決めて誰かに任せるということです。
自社の強みに関係しない業務をアウトソースする企業は増えていますが、これは個人においても同様です。自分の強みを活かし、伸ばせる仕事に集中することはキャリアを積んでいくうえでもとても重要です。つい全部自分で抱え込みがちな人は発想を変えて、人に任せたり、代行サービスを積極的に使うことを考えてみましょう。
ここで、気をつけたいのが仕事の「任せ方」です。
社内やチーム内で人に仕事を任せるとなると、任せ方を工夫しないと期待レベルに達していなくてやり直しになったり、最悪の場合、自分が引き取ったりと時間がかかってしまうことも。一見、面倒に思えるかもしれませんが、「任せ方のステップ」を踏むことで格段に確実に手戻りが減ります。
単純作業よりも少し難易度が高いケースとして、調査報告書を作成する仕事を任せる場合で考えてみましょう。
■ステップⅠ その業務に必要な知識と技術を整理する
まずは、その仕事を完成させるために必要な「知識」と「技術」を整理しましょう。
調査報告書の目的や提出先、期待される品質や納期、リサーチソース(情報源)、アンケート手法、データを購入する業者や手順、類似の調査報告書や担当者……
仮説立案や検証方法を考えるスキル、統計解析などの分析スキル、エクセルやパワーポイントのスキル……
自分の当たり前=相手の当たり前ではないと思って、自分では暗黙知になっているものも含めて整理してみましょう。
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