取り戻せ、やんちゃ魂!「バイマ」の挑戦 新世代リーダー 須田将啓、田中禎人
やんちゃな会社でありたい
エニグモの経営理念はエニグモ7といい7カ条からなるが、その1番目に置かれているのが「やんちゃであれ!」という言葉だ。そこに込めた意味は何か。
田中:「やんちゃな会社でありたいというのはずっとあって。イノベーションというのはそうじゃないですか。既存の概念で考えていたらイノベーションは生まれないし、ただ、マジメにやっていても攻めの姿勢にならなければダメ。起業というのは、やんちゃでなければいけないし、ベンチャーというのはやんちゃでなければいけない、というのがずっとあったんです。
ただ一時期、やんちゃさがなくなった時期があったんですよ。広告事業を撤退したときとか、何となく全体に空気が重くなるし。ほかにもベンチャーらしさを失った時期がありました」
型にはまったような状況に悩んだようなのだ。多くのベンチャーがぶつかる壁と言えるかもしれない。
田中:「上場するからにはこういう組織でなければいけない。こういうルールがなければいけない。経営者はこうでなければいけないという固定概念で、どんどんつまらない会社になってしまうことは避けたかった。原点回帰じゃないですが、ベンチャーはやんちゃじゃなきゃいけないという思いが経営理念に込められています」
ユニークな経営理念である、エニグモ7。「やんちゃであれ!」のほかに、「仕事に美学を!」「本質を掴め!」「オープンに!」「リアルを追え!」「限界をやぶれ!」「結果にこだわれ!」とある。
起業すると謙虚になりますよね…(笑)
田中:「エニグモ7は2011年から。当初からカンパニーバリューというのが5つあった。設立したときにつくったもので、経営して月日が流れていくと、状況も考えも変わって、別にあえて主張する必要ないよねとか、こういうのをもっと大事にしようとか、いろいろ出てきて、ずっと変えたいなと思っていた。当初あった5つは、今は1つも残っていませんね」
大学時代はどんな様子だったのだろう。
田中:「世の中のほとんどの大人よりできるなとは思ってました(笑)。でも、今は謙虚ですよ。社会に出て、謙虚になるじゃないですか。で、また、調子に乗ってきて、起業すると、またメチャクチャ謙虚になるんですよ。
それこそ、会社の看板もないし、すべてがお願いごとですから。話を聞いてくれというのもお願いごとですよ。博報堂であれば、会社がそれまで築いてきた基盤があって、その上で普通に働いて。お客様に会いに行くときも、博報堂の誰々ですと言えば、会ってくれるじゃないですか。会ってくれなくても社内にそういうネットワークがあって、紹介を頼めば繋げてもらえる。それがすべてない状態だと、誰も会ってくれないし、誰も話を聞いてくれない。エニグモって何だ?という話から始まるので、後ろ盾もないまま、ムチャクチャ謙虚になるんですよ。
実際、われわれだけではなく、周りにいた人間で、それまですごく有名な会社でブイブイ言わせていた奴が起業して、半年後くらいに会うと、人間変わっているんですよ。すごく謙虚で、こんなにいい奴だったっけ?みたいな(笑)」
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