エニグモ「バイマ」、人気の理由 ソーシャルショッピングサイトが急成長
7月24日に東証マザーズに上場するエニグモの公開価格が7月12日、1750円と決まった。時価総額は単純計算で30億円余り。ソーシャルショッピングサイト「BUYMA(バイマ)」が急成長しているエニグモが、いよいよ株式市場に登場する。
エニグモの足元の業績は急拡大している。2011年に広告事業を撤退し、経営資源を集中させた創業事業のバイマが急成長しているためだ。1年以内に売買の実績のあるアクティブ会員数は昨年1月時点で12.5万人だったが、4月末には19.7万人に達した。10年1月期に1.3億円の赤字だった営業損益は、11年1月期に0.8億円の黒字に浮上。前12年1月期には2億円の営業利益を稼ぐまで伸びている。
「積み上がっていくモデルなので、黒字になるまではホント大変だったんですが、黒字になってからは別世界。固定費はそんなに増えないので、加速度がついてきた」と、エニグモの須田将啓・代表取締役・共同CEOは語る。
社名のエニグモは、「エニグマ」という謎を意味する言葉をもじったもの。一般名詞であるエニグマだと、検索してもアーティスト名などが上位に来てしまうおそれがあったから。ともに博報堂出身である須田将啓と田中禎人の2人が共同CEOを務めるユニークな会社で、04年に設立。バイマのアイデア自体が10年前のクリスマス、博報堂の社内で持ち上がったものだという。
「BUYMA(バイマ)」は、個人バイヤーが世界中の服飾、生活雑貨を売買するための場。バイイング・マーケットの意味をもつ。会員数が増え、売買が活発になれば、売買手数料としてエニグモの売り上げが増えるというビジネスモデルだ。バイヤーにとっての利点は「誰でもリスクなく、簡単に商売が始められる」(須田氏)点。