修了証書は、就職でも通用
また、そのウダシティーの修了証書を認める大学も出てきた。アメリカやドイツでは、たとえばウダシティーでコンピュータ・サイエンスの入門を勉強すれば、次のステップを現実のキャンパスで受講できるようにする大学があるのだ。
さらに、ウダシティーでの修了証書は企業への就職にも通用する。ウダシティー自身が、優秀な生徒を企業に斡旋することも行っており、そこから収入を得るというのが同社の収入モデルである。すでに二十数社が受け入れにかかわっている。
さてこうしたことが示すのは何か。それはつまり、たとえ大学へ進学するための学費を出せなくても、このウダシティーで懸命に勉強すれば、成功への道が開かれるということだ。つまりウダシティーは、家庭環境、収入、年齢、国境など、すべての格差や境界を超えて、最高の教育を受けられる機会と、成功への道を与える場となっているのだ。
スランはもともと、ドイツで生まれ育った。1967年生まれの45歳。ボン大学で博士号を取得した後、95年にアメリカに渡ってカーネギーメロン大学で研究職を得た。
ロボット系ラボのディレクターを経て教授に昇格したが、その後スタンフォード大学へ移籍。自動走行車のコンテストの際に、グーグル共同創設者のラリー・ページに会って、グーグルにもかかわるようになった。無駄なことは言わない実直そうな外見だが、その頭脳は非常に多彩だ。
スランは、スタンフォード大学で教えているときは厳しい先生で、できない学生をよく落第させていたという。だが、ウダシティーではそんなやり方をすっかり改めたという。できるだけ多くの生徒に成功してもらいたいと、心から願っているからだ。授業の修了証書をもらうまで、オンライン授業を繰り返し受けて、何度もテストを受けてもらえばいいと考えている。
そして、こう語る。「ウダシティーは、高等教育をあらゆる人々に拓くためにあるのです」。
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