大型経済対策は本当に必要だったのか

総額13.1兆円の緊急経済対策に潜む問題点

ちなみに、日本経済研究センターの「ESPフォーキャスト調査」によれば、ほとんどのエコノミストが大型経済対策を前提としていなかったと考えられる12月初旬の調査でも、12年10~12月期は3四半期連続のマイナス成長となるものの、13年1~3月期には前期比年率1.8%(エコノミスト40人の平均値)と明確なプラス成長に復帰するとの予測がコンセンサスとなっていた。

経済対策は景気が悪化している最中だけでなく、底入れした後も回復をより着実なものとするために意義があるという考え方もあろう。しかし、財政状況が極めて厳しいことを踏まえれば、大規模な財政出動を伴う経済対策には慎重であるべきだ。

経済対策によって短期間に成長率が押し上げられることは確かだが、それはあくまでも一過性のものであり、その効果が一巡した後には反動減が生じる。政策効果剥落による景気悪化を止めるために経済対策を繰り返せば、財政の悪化が一段と深刻なものとなるだけでなく、民間の自律回復の芽を摘み取ることにもつながりかねない。

補正予算は消化しきれるのか

今回の補正予算を消化しきれるのかという問題もある。

予算は単年度主義となっており、予算によって認められた国費の歳出期限が及ぶのは原則として当年度限りで、年度内に使用し終わらない金額は国庫に返納することになっている。

今回の補正予算が成立するのは年度末ぎりぎりになることが見込まれる。これだけ大型の予算を極めて短期間のうちに執行することはかなり難しいのではないか。復興関連事業の執行停滞の大きな要因となってきた建設業の人手不足の問題は依然として解消されていない。人的な供給制約によって消化できる事業量は限られるだろう。

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