復興財源もついに枯渇 国債増発の綱渡り

安倍政権に試練が訪れる

「新政権待ち」で予算作業などがストップした総選挙前の霞が関。閑散とした財務省内で、主計局担当者はつぶやいた。「このままでは(東日本大震災)復興特別会計の財源は確実に足りなくなる」。

12月26日に発足する安倍晋三内閣。10兆円規模の今年度補正予算編成が直近の政策課題だが、これとは別に、国債増発に拍車をかけかねないのが、復興特会の存在だ。

政府は2011年、15年度末までの5年間を集中復興期間と位置づけ、所得税・法人税の特別復興税(一時的なつなぎの復興債の償還財源)と、一般会計からの繰り入れを原資に19兆円の財源を確保した。復興特会は、その受け皿だ。

ところが、この19兆円が早くも枯渇する。復興特会の歳出は今年度までで17兆円に上り、残りは2兆円。これに対し、来年度予算は4・5兆円程度の歳出が想定されている。

復興財源枯渇は好材料?

復興庁では現在、懸命に予算の精査を進めるが、「財源オーバーを避けるのは難しい」(予算・会計担当企画官)という。地権者との調整に手間取っていた被災地の防災集団移転が本格化するのが来年度。新居建設が困難な人たちに向けた災害公営住宅の建設などが拡大していくため、残り2兆円を15年度までもたせるのは不可能に等しい。そのため、「来年度予算と併せ、19兆円フレームの見直しを財務省と協議している」(同)。

普通なら新政権の難題になりそうな、この復興財源問題。だが、防災・耐震の大型公共事業と金融追加緩和策を両輪とする「アベノミクス」が株式市場などで好意的に受け入れられている現状では、逆にプラス材料に転化されるかもしれない。

現在、自民・公明両党が検討する補正予算で一つのハードルとなっているのが、民主党政権が導入した中期財政フレームだ。財政健全化に向け、新規国債発行44兆円、基礎的経費71兆円という上限枠が設けられ、今でもこれは国際公約の位置づけ。国債の44兆円枠はすでに今年度の一般予算で消化済みで、これ以上の今年度の国債発行は同フレームに抵触する状況だ。

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