原発停止の余波、電力向けバルブ首位の苦悩 火力発電向けは採算及ばず

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東京電力・福島第一原子力発電所事故の影響を受け、経営環境が厳しいのは電力会社だけではない。電力会社向けバルブの業界も苦戦を強いられている。

電力向けバルブには、火力発電所向けと原子力発電所向けがある。このうち、ほぼ半分を占める原発向けの需要が今、メンテナンスも含めてごっそりと消えてしまっているのだ。

そんな中、電力向けバルブのトップメーカー、岡野バルブ製造も例外ではなく、業績の低迷が続いている(写真は同社の出荷前製品)。

同社の売り上げは、原発や火力発電所向けの新設バルブと、原発の定期検査工事などに伴うメンテナンスやバルブ部品の取り替えがほぼ半分ずつ。利益の柱になっているのは、大型案件が多い原発メンテナンスだ。

原発メンテは昨年の柏崎刈羽でストップ

ところが原発が動かない現状では、岡野バルブでも2012年春に東京電力・柏崎刈羽原発(写真)のメンテを手掛けて以降、原発メンテは案件が全くなく、業績を直撃している。

当面の見通しも厳しい。福島第一原発の事故以降、全国に50基ある原発は定期検査などで次々に止まり、その後に再稼働したのは関西電力の大飯原発3~4号機のみ。稼働できなければ、一定期間ごとに運転を止めて行う定期検査もなくなる。

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