住み込みのメイドさんを雇う日本人の本音 「メイド大国」シンガポールの事例に学ぶ

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Dさん:日本はどうしても女性が我慢をするという文化が根付いていると思うんです。でも、ママがハッピーだと、家族がハッピーになる。夫にとってもその方がいいと思う。アウトソースできるものはしてかまわないと思っています。

Eさん:メイドさんがいなければ、子どものお風呂もご飯もとにかく「早く終わらせる」ことだけに一生懸命になってしまう。ゆとりがあるからこそ「子どもと2人の時間を持ってあげよう」と積極的に思えるようになりましたね。

必要なのはマネジメントスキル

以上、メイドさんを雇っている5人の方々に語ってもらった。デメリットについての声もあったが、メリットも多く感じられるものだったのではないだろうか。

同じ日本人、ときに家族であっても、誰かと暮らしていくのは簡単なことではない。外国人メイドさんとなれば、ますます難しく、マイナートラブルはつきものだ。それでも彼女たちは、トライアンドエラーを繰り返しながら、メイドさんを、そして家庭をマネジメントしていた。

日本では人材不足やコストの問題もあり、メイドさんを雇うのは容易でないのが現状だ。しかし、共働き家庭が増え日々慌ただしい生活を送る人も増える中で、生活にゆとりが生まれるというメリットは大きい。もし安心できるサービスや人が見つかるなら、試しに取り入れてみるのもいいのかもしれない。

吉田 麻里 マーケティングコンサルタント

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大学卒業後、東日本電信電話株式会社(NTT東日本)に入社。その後、博報堂コンサルティングにてブランディング、マーケティングコンサルティング業務に従事。グリー株式会社にてグローバル戦略、新規事業開発事業等に関わる。2015年よりシンガポールに渡り、出産、子育てを行っている。
 

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