日本を知らない“中国新世代”がやってくる 日本はもはや、「善」でも「悪」でもない?

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日本を“知っている”世代を開拓できているか?

「悪の軍事大国・日本」と「ハイテクで面白い日本」の板挟みに悩みながら育ってきた70后~90后世代。しかしその次の世代となる2000年代生まれの00后は、日本の製品やコンテンツに触れることなく育つ、はじめての世代となる。

IT教育を受け、”日本”を知らない00后の子どもたち

では、日本の製品やサービスが中国でもう挽回できないかというと、まだそうともいえない。

最近、中国のパソコンショップの集まる電脳街を歩くと、タブレットを買い求める中高年が目立つようになった。また徐々にではあるが、今までITに消極的だった中高年が、パソコンを利用し始めている。

70后~90后の実家に日本の家電や車があるくらいだから、中高年の日本製品への印象のよさは若者以上である。

電車内でスマートフォンを使う中高年

中高年のITへの歩み寄りや中高年向けのサイト登場で、やがて中高年が自ら情報をインターネットで調べ、オンラインショッピングをすることが当たり前となる時代が、そう遠くないうちにやってくるだろう。

中高年の中国人は、まだITに詳しくないために、70后~90后に財布を預けている状態だが、日本に買い物旅行に来る中高年がいるように、自ら財布を握り自身の判断でモノを買うようになるだろう。

必ずしも中国人のどの世代も日本離れを起こすわけではない。中国人の心をつかむには、まずはメイドインジャパンに愛着のある中高年向けから攻める、たとえば老人にも使いやすい製品のアプローチをするのも、これからの1つのやり方ではないだろうか。

 

近著『日本人が知らない中国人インターネット市場』でも最新事情を紹介している
 
 
山谷 剛史 フリーライター

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やまや たけし / Takeshi Yamaya

1976年東京都生まれ。理工系学科卒、前職SE。海外専門ITジャーナリストだが、特殊な中国IT事情が面白く、中国についてよく執筆する。
中国雲南省と福岡を拠点とし、中国各地や東南アジア、南アジアまで都市部、郊外問わず足を使ってミクロ経済の現場を調査。
著書に「日本人が知らない中国インターネット市場」(インプレスR&D)「新しい中国人 ネットで団結する若者たち」(ソフトバンククリエイティブ)。
連載に「山谷剛史のアジアン・アイティー」「山谷剛史のマンスリーチャイナネット事件簿」「山谷剛史のアジアIT小話」など。
講演、テレビ、ラジオ出演も。

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