トップ10に日本の作家が4人もランクイン
年初から、広東省の週刊紙『南方週末』の記事差し替え事件が話題になった中国だが、実際のところ、中国のメディアはどうなっているのか? とくに紙出版はどうなっているのか? 今回から2回にわたって、中国の出版事情をレポートしたい。
現在、日中関係は過去最大の緊張関係に入っているが、中国では日本の書籍の人気は衰えていない。文芸作品からビジネス書にいたるまで、中国人の日本の書籍に関する関心は高い。2012年9月、北京の大型書店から村上春樹や東野圭吾などの作品が一時的に撤去されたといったニュースがあったが、今は元に戻っており、平台や書棚には日本関連の本が並んでいる。
昨年末の中国の英字紙『China Dairy』の記事によると、12年の中国国内ベストセラー(ロイヤリティ金額ランキング)の海外作家部門トップ10には、なんと日本人作家の作品が4つもランクインしている。
村上春樹の『1Q84』、東野圭吾の『白夜行』、黒柳徹子の『窓ぎわのトットちゃん』、稲盛和夫の『生き方』――これらの作品は日本では旧作に属するが、中国市場ではロングセラーとして売れ続け、いずれも累積部数でミリオン(100万部)を超えているという。
日本人作家の本がミリオンを記録するぐらいだから、中国の紙出版市場は今も隆盛を誇り、毎年成長を続けていると思う方も多いだろう。しかし、実際に中国の出版関係者に事情を聞くと、現在、中国の紙出版市場は、急速に縮小しているという。
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