中国はコンテンツの墓場、日本の漫画も苦戦中

中国の出版市場で何が起きているのか(下)

中国でも日本の漫画は大人気。だが、ビジネスとしては苦戦している(写真:ロイター/アフロ)

前回の記事では、中国でも紙出版は限界にきており、書店が次々に倒産している状況を記した。デジタル化の進展、海賊版の横行、ネット販売に押され、中国でも紙の書籍や雑誌は売れなくなっているのだ。

ところが、そんな市場に、日本の出版大手2社が今、漫画誌で参入している。そこで、この漫画誌の動向を見ながら、中国の最新メディア事情をお伝えしたい。

中国の若者は、日本の漫画に夢中

中国で最も人気のある日本のコンテンツといえば、何といっても漫画である。日本の漫画がどれくらい読まれているかという統計的データはないが、中国人の若者は、ほぼリアルタイムで日本の漫画を楽しんできたという。ある中国人の若者はこう話す。

「中国でもやはり『ONE PIECE(ワンピース)』がいちばん人気がありますね。中国にも腐女子(美少年同士の恋愛を扱った作品などを好む女性)はいますから、ボーイズラブ(男性の同性愛を題材とした漫画など、BL)、ティーンズラブ(少女向けのセクシャルな描画を含む漫画など、TL)も読まれています。『NO.6』や『青の祓魔師(エクソシスト)』は、とくに人気があります」

中国では『ONE PIECE』は『海賊王』と訳され、これを知らない学生はいない。ただ、これは海賊版の翻訳タイトルで、正規版は『航海王』。しかし、『海賊王』のほうが一般的で、一説によると、これまで海賊版・正規版合わせて日本より売れているという。

そこで、欧米で成功したこともあり、日本の出版大手2社、講談社と角川グループは、中国市場で漫画を本格的に売ろうと考えた。

しかし、これには乗り越えなければならない大きな壁があった。中国は、経済は開放しても文化は開放していないからだ。

中国は、いまだに文化鎖国国家である。北京政府は、外国文化の輸入を厳しく規制しており、たとえば映画の上映枠は、つい最近まで年間20本に限られていた。このうちアメリカ映画は14本までとされていたが、2012年2月の習近平総書記の訪米で、今後は年間34本にまで拡大されることになった。ただ、それでも厳しい統制下にあることは変わりない。

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