「都合よく解釈する人」は、なぜ成功するのか 期待を超える成果を出すための3ステップ

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そして、その後の行動を決める際、「他人に左右されず、自分の価値観で選択することで納得感を高める」ことも行っている。当然、価値観そのものに善し悪しはない。自分の価値観に沿った選択をすることが重要なのである。「何が大事か」の基準は、誰もが持っているであろう。しかし、価値観もしっかり振り返ってみないと、明確に言葉にできないかもしれない。いざというときに、自分は何を大切にしているのかを理解しておくことは、非常に大切なことである。

ステップ3:自分のとった行動や置かれた状況に基づき『持論』を持つ

最後のステップは「持論形成」である。彼らは、自分が採った選択肢や、その時々の仕事の仕方から、自分自身が大切にする原則、つまり持論を導き出す。そして彼らの多くが、文字に書いて自分に見える形にしたり(実際、メモ魔が多い)、誰かに話したりすることで伝わる形にしていくのだ。言葉の持つ意味は大きい。言葉にすることで、何か起きたときにもぶれず、人からどう見られても気にならず、自分の選択に対して納得できるようになる。

また、その持論は、自分だけの視点に偏らず、マネジャーとして周囲を巻き込んだ持論を発想している場合が多いことも特徴的である。

自己変革を成し遂げているマネジャー

最後に、このステップを通じて、自己変革を成し遂げ、スキル、ウェイ、ギャップの3つの力を蓄えているマネジャーの例を見ておく。

自分の弱い「スキル」は部下に補ってもらえばいい

外資系機械メーカーに勤務し、営業畑一筋で部長職となっていた40代のマネジャー。ある日突然、門外漢の技術畑の部長への異動を命ぜられた。ビジネススキルに関しては強い自信を持っていたものの、「技術の専門性で劣る自分に、部下たちはついてきてくれるのだろうか」という不安にとらわれた。

彼は技術的な知識が明らかに不足しているということを『自己認識』した。しかし彼は、むしろ自分の強みである長年の営業経験、クライアントのニーズを把握する力に目を向けた。そして彼は、『都合のよい解釈』をして、「自分はクライアントのニーズを元にして、技術部門が進むべき道筋を示せばいい。細かい技術のことは自分よりも部下のほうがよくわかっているのだから、信頼して任せればいい」と、自分の頭を切り替えたのだ。

そうした結果、部下は彼を信頼し、成果も出すことができた。こうした経験を通じ、彼は『持論』を持つようになった。「自分の弱いスキルは部下に補ってもらえばいい。信頼して任せれば、部下も信頼してついてきてくれます」。

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