社員を「単身赴任」させるのは人事部の怠慢だ 八木洋介LIXIL副社長が語るワーク・ルールズ

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アイデアコンテストの授賞式

入社数年の若手社員が主導して事務局を作ってアイデアを回収し、選考会を何度も行いました。そして、50個まで絞った段階で全体投票を行い、10個から最終選考で金・銀・銅の賞を表彰しました。

半分遊び心を持ちながら勉強してほしいと思ったので、コンテストの1等は、プラチナ賞ということで、バルセロナ旅行にしました。ちょうどLIXIL人事トップのグローバル会議があるので、そこで発表してもらい、ついでに家族も連れて、観光もしてもらえたら、と考えました。そうしたら、かなりモチベーションを上げてくれたようです(笑)。

正直なところ、出てきたアイデアに奇抜なものやアッと驚くものは、そんなにはなかったように思います。ただ、私は一生懸命読んで考えてくれた社員の気持ちがうれしいですし、非常に大きな人事の学びであり、変革のワンステップに役立ちました。

ここで出てきたアイデアをもとに、どう具体化させ、実践していくべきか。日程を決めて、できることから始めようと思っています。

――課題図書を指定して読んでもらったり、研修をしたりするのは、いろんな企業でよく聞きますが、こうした半分イベント感覚で本を読んでもらうという試みは、LIXILではよくなさっているのでしょうか?

いや、本を読んできてもらってコンテストというのは、今回が初めてです。また良い本があれば、企画してみたいとは思っています。費用といっても、『ワーク・ルールズ!』が1部2000円として、250冊で50万円です。研修などと比べても、非常にリーズナブルに社員が学ぶ機会を作れたと自負しています。

――ほかにも何か、こうした社内の声を吸い上げるイベントを開催しているのでしょうか?

数年前ですが、グローバル化を考える論文コンテストを行いました。私たちがグローバル化を考えるときに、ただ単にトップがメッセージを伝えるのではなく、自分が何を考えているかを自分で手を挙げてもらうことは大事だと思いました。

というのも、私がLIXILに移ってきたときに、「待ちの姿勢が多いなぁ」と思ったのです。特にグローバル化に関しては、英語を話せる人もあまりいないし、ずっとドメスティックでやってきた。

ご存じのように、LIXILがどんどんグローバル化していくタイミングでした。私が入社した2012年は、LIXILグループの約1兆3000億円の売り上げのうち、海外は約500億円ぐらいでした。今はそれが約5600億円にまで拡大しています。

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