カヤックの働き方は、こんなに「漫画チック」 突撃!「面白法人」のワーク・ルールズ:後編

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横浜の高層ビルにあるカヤックの支社「ヨコハマ展望台」オフィス
 世界20言語・地域で発売され、日本でも話題作となっている『ワーク・ルールズ!』。グーグル社の人事トップ(上級副社長)であるラズロ・ボック氏が同社の人事労務制度や採用基準、働き方に関する文化、メンタリティに至るまで余すところなく著し、今ベストセラーになっています。
同書の刊行をきっかけに、ユニークな会社の「ルール」や「働き方」を持っている日本企業に突撃して、お話を伺うことにしました。第1回目は、面白法人カヤック。お話を伺ったのは人事を担当している柴田さんと三好さん、そして広報を担当している松原さん。カヤック独自の文化はどうやって生まれ、面白い制度をなぜ作り続けているのか……。前回に引き続き、自身の体験も交え、ざっくばらんに語ってもらいました。

360度評価が文化と人をつくる

全世界で話題沸騰! Googleの人事トップが採用、育成、評価のすべてを初めて語った。創造性を生み出す、新しい「働き方」の原理を全公開!

柴田:研修のコンサル会社の人と話していたのですが、教育はできる人の何かを移転するものもあれば、自分で気づくものもある。カヤックはそもそも「自分のオリジナリティを伸ばせ」という発想だから、できる人が教えるというスタイルがそもそも成立しません。だって、この人と違うふうになれということだから。「お前は面白いものを作れるのか?」と問われ続けて、自分の中で成長していきますから。

三好:体系化しないんですよね。永遠に超えられない問いというのに近くて。今、芸人さんの育成システムをまねしたいなと思っています。芸人さんの面白さって、決めるのはお客さんですよね。

NSC(吉本総合芸能学院)では、生徒は先生とほかの生徒の前でネタを披露する。どんどん「はい、次」って言われて、面白かったのか、どうやったら面白くなるのかは自分たちで考えないといけない。その後、劇場でお客さんの前でやるときも、お客さんが笑いはするけど、はたしてそのまま行けるかどうかは己の考え方次第。たとえランキングで1位になったとしても、その舞台では面白かったかもしれないけど、テレビに出たら全然、面白くないという可能性もある。そんな話を伺ったことがあります。

結局のところは、自分が面白いかどうかを延々と問われ続ける場にいて、それに対して笑いというフィードバックが来るんだと思っています。「自分は今、面白いものが作れているのかな?」みたいな問いかけをされ続けるような制度が、いちばんカヤックらしいと思います。

そういうことを考えて、最近、360度評価の質問を変えてみました。今までは、「自信作を3つ挙げてください」でしたが、「この半期で自分が自信がある作品をひとつ挙げてください」と、「いちばん利益に貢献したと思う作品を挙げてください」にしました。その質問内容で半年に1回、自分を振り返ることになるので、結局、これが人をつくるし、文化をつくるのです。

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