三好:案件が始まったときに、ブレスト要員で呼ばれたりします。そのときに誰も拒否はしません。忙しいときは別ですが、これは合宿でみんながブレストをやっていて、それが文化なのと、楽しいというのがわかっていますから。
カヤックはエントリーマネジメントがそうとう強いと思っています。アイデアを出すことに対して貪欲でない人は、あまり入っていないでしょう。それは、クライアントワークでもソーシャルゲームでも管理部門でも。だから、面白いものを作れるなら、ブレストぐらいだったらいつでも大丈夫だよと。僕もたまにクライアントワークを手伝っています。
最近、悲しかったのは、大ヒットマンガの「NARUTO展」というのがありましたが、この謎解きのシナリオは、僕も一緒に作っていたのです。ただ、いつの間にか僕は行かなくてよくなって。内容が変わったのかなと思ってNARUTO展が始まった後にディレクターに聞いてみたら、「大丈夫です。全部採用されていますよ」と。せめて名前をどこかに載せてほしかった……。
松原:それ、載せてもらったほうがいいよ。
三好:まぁ、ローンチメールで、スペシャルサンクスの中に「三好」と出ていたので、いいのですが。
松原:ホームページの実績のところに名前が載るかどうかは、クリエーターなら気になるかもしれませんね。作ったものに対する自分の貢献ですし、ポートフォリオになりますから。
個性的なキャラになったもの勝ち
三好:面白い案件に巻き込んでもらえたから、それだけで十分にうれしいですけどね。みんな面白いものを作りたいと思っているから、たまに強引に巻き込んだり巻き込まれたりしますが、そこに対して嫌だと思うことはない。嫌だと思う人は、この会社に合わないでしょう。
松原:巻き込まれるということは、たぶん認められているということ。先のプロレスの話も、彼女がプロレス好きキャラだってみんなから思われているから、そこが評価されたのです。カヤックの考え方として、個人のオリジナリティを追求してすごい個性的なキャラになったもの勝ち、みたいなところがありますからね。声をかけられたら、自分がそういうキャラクターだと認められたと思って、喜んで協力しますよという感じの人が多いですね。
──誰が何を好きみたいなことは、みんながけっこう知っているのですね。
柴田:カヤックに入ってくると、最初にあだ名をつけられたり、キャラ設定から入ります。いろんな仕事の仕方が変わってきますから。
三好:うまく仕事が回らない人は、自分のキャラづけとか自分の好きなことが言えない人たちかもしれません。カヤックでは、キャリアとキャラがほぼ一緒。ある新卒社員がいて、彼はまじめで、言われたことをきちんとやるタイプでした。それが、たまたま大好きなマンガの案件が来たときに、どうしてもやりたくて手を挙げたんです。そうしたら、意外といろんなこともできたし自分の意見が言えたから、「これって、すごい楽しいかも」と思って、ほかの仕事にも積極的に手を挙げ始めたのです。そうしたら、別の仕事でも、周りから指名されるようになりました。
結局、指名されるかどうかはその人のスキルかキャラクターで認められたかどうかで決まります。指名されることは、カヤックでは喜びというか、認められたということだと思います。その発信をどうやっていくかが、新卒3年目ぐらいまでの課題ですね。
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