あと、日本企業に知っておいてほしいことがあります。多くのインドネシア人はイスラム教徒なので、毎日5回お祈りをします。日本の企業はそこを理解し、毎回10分間お祈りに時間を使うことを認め、そのための部屋を用意してほしいです。男女別の部屋か、そこまでの場所がなければカーテンで仕切るだけでもいいです。
ランチに誘ったら、全額こちら持ち
他の習慣としては、食事に誘われたときは、必ず誘った人がすべて支払います。誘われた時にはホストが払うことが当たり前なので、支払うことを申し出ることも失礼に当たります。
――日本では一応、支払う姿勢を見せることが、礼儀なこともあります。
スハルトさん:そうなのですね。インドネシアではそれも失礼になりますので、しないでください。ホストが支払うのが当たり前なのです。
――日本では気楽に「お昼に行こうか」と誘いますが、そのときにはすべて支払うことを覚悟しなければいけないのですね。
スハルトさん:そうです。誘われた側のマナーとしては、日本のように料理のすべてを食べなければいけないということはありません。すべてのものを少しずつ食べるか、たとえばスマトラでは料理が多いので、好きな物だけ食べてもいいです。
――料理などでも地域差がありそうですね。地域によって人の雰囲気の違いはありますか?
スハルトさん:ジャワの中央、東側の人はJavanese(ジャワニーズ)と呼ばれます。西側の人はSundanese(スンダニーズ)で、習慣や言葉も違います。ジャワの東側の人は直接的でオープンです。中央は王がいるからでしょうか、階級社会が残っています。日本人はオープンな雰囲気の東側でビジネスをすることを好むと聞きます。スマトラの北側の人もジャワ東側の人のようにダイレクトです。ほかは同じような感じでしょうか。
――すると、日本人がビジネスを始めるなら、ジャワの東側やスマトラの北側がいいかもしれませんね。
スハルトさん:そうですね。でもどこの地域であろうと、日本の人たちがインドネシアの人と仲良くなるためのいちばん早い方法は、カラオケをすることかもしれません。カラオケに行きましょうと言って、一緒に時間を過ごせば、すぐに仲良くなれます。
日本の「心の友」の歌などは、とても有名です。日本語を話さないインドネシア人の友人が、日本語で歌っていましたよ。
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