中国式グローバルエリートの育て方

4カ国語をしゃべれるのは当たり前

ハーバード大学卒業後、ゴールドマン・サックスなどでビジネス経験を積んだエイドリアンは、その間に北京大学でMBAを取得しています。親日家でもあり、京都へ短期留学したこともあるそうです。

ものの5分も会話していれば、彼が大変聡明でバランス感覚とチャレンジ精神に富んだリーダーであることは分かりましたが、印象深かったのは彼の言語能力です。

彼とは主に英語で話しましたが、ほぼネイティブに近いきちんとした英語を話しますし、途中彼の部下も交えて中国語で話した際には、普通話(プートンホワ、中国の標準語)も上手に操っていました。彼は香港の人ですから、母国語は広東語です。ジャッキー・チェンも同様ですが、以前は広東語しかできなかった香港人が大陸でのビジネスチャンスに対応するために普通話を勉強するようになっています。

4カ国語を話せる人はザラにいる

さらにたまげたのは、彼が日本語を話すことです。過去の日本滞在は1年にも満たないはずですし、今は日本語を使う機会はあまりないはずなのに、発音・文法ともにきちんとした日本語を話していました。

つまり、エイドリアンは4種類の言語を高いレベルで使いこなせるわけです。実はグローバルではこれも特に珍しいことではなく、たとえばマレーシア人は母国語のマレー語に加えて子供の頃から英語を使っており、中国系のマレー人であれば出身地の福建語と中国語(普通話)もしゃべることができます。ヨーロッパの人たちも同様です。

少なくともビジネスの世界においては多言語対応が絶対的に必要であり、単一言語主義(厳密に言うとそんなものはありませんが)をとっているのはアメリカと日本くらいではないでしょうか? アメリカは英語が世界の公用語みたいなものですからよしとして、日本国内でしか通用しない日本語だけでグローバル相手に戦うのが無謀なのは火を見るより明らかです。

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