中国式グローバルエリートの育て方 4カ国語をしゃべれるのは当たり前

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日本にもエリート教育が必要

中国の大企業は国営企業か、もしくは民間の起業家が起こした同族会社が多く、いずれにせよ日本やアメリカのサラリーマンによる集団的企業経営とは経営手法がだいぶ異なります。しかし、閉塞状況を打破できない日本の企業を見ていると、トップの構想力やリーダーシップの欠如が停滞の大きな原因の1つになっていると思わざるをえません。

民主主義に反するように聞こえるかもしれませんが、強いリーダーを生むためには意図的なエリート教育が必要だと思います。器の大きな若い候補者を選抜し、本人たちに将来のリーダーたることを自覚させ、一級の教育機関での学びとビジネス現場での経験・成長の機会を与えて徹底的に鍛える。そうしなければ、日本の次世代を担うリーダーは出てこないのではないでしょうか。

将来へ向けた明確なビジョンが描ける。その実現のために必要なリソース、特に優れた人材を引き付け、陣頭に立って彼らを激励・鼓舞する。屈強な精神と柔軟性を持って自ら意思決定し責任を引き受ける。そして英語や中国語でグローバルへ向けて企業理念やビジネスプランを発信していく。そんなリーダーが次々に出現することを願い、そのためのお手伝いをしていきたいと思う今日この頃です。

岡崎 茂生 フロンテッジ ソリューション本部副本部長

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おかざき しげお / Shigeo Okazaki

1981年東京大学教育学部卒業、1989年ピッツバーグ大学経営大学院MBA。1982年電通入社、2006年より北京駐在。北京電通 ブランド・クリエーション・センター本部長を経て、現職。30年におよぶ広告・マーケティング領域での経験をベースに、中国企業をはじめタイ、アメリカ、韓国、日本企業などを対象に幅広くブランド戦略コンサルティングを行なう。アジア各国およびアメリカの大学/大学院でのブランド講座・公開セミナー、フォーラムでのスピーチ、雑誌連載など多数。チュラロンコン大学商学部マーケティング学科客員准教授、南京大学ジャーナリズム&コミュニケーション学院客員教授、湖南大学ジャーナリズム・コミュニケーション&映像芸術学院客員教授。

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