「持たざる者」がシェアエコノミーを生んだ 21世紀のイノベーションの「光と影」

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・Etsy(エッツィー)

一般人やセミプロがハンドメイドのアクセサリーや雑貨などを売るサイト。2014年末の時点で5400万人がメンバー登録し、ユーザーは消費者でもあり生産者でもある。世界中の売り手と買い手が直接つながる圧倒的な人気を誇るサービスになっている。2015年春には株上場を果たしている。

ありとあらゆる「タスク」をお手伝い

・TaskRabbit(タスクラビット)

タスクラビットは、家の修理から掃除、引っ越しや買い物などあらゆる「タスク」のサービスを、登録したフリーランスから受けられるプラットフォーム。ボストンから全米19都市に広がり、現在5万人がフリーランス登録、250万人がサービスを使っています。

以下の3つは正確にはピア・トゥ・ピアのビジネスモデルとは言えませんが、「シェア文化」として注目に値するものです。

・WeWork(ウィー・ワーク)

フリーランスやスタートアップ企業のためのシェアオフィス大手。現在米国を中心に54カ所のオフィスを持ち、3万人の利用者がいます。これまでのスペース・レンタルやコンシアージ・サービス と違って、広いスペースに大きな共同テーブルやカウチが置かれたおしゃれなインテリア。グーグルなどIT大手のオフィスを思わせる雰囲気の中、会社の枠を超え、思い思いのスタイルで仕事ができるものとして人気です。さらにグループ医療保険、専用のソーシャル・ネットワーク、ワークショップやイベントなどのコミュニティを形成しているのも特徴的。同種のシェアオフィスは各都市で伸びています。

・アダルト・ドーム

まだ開始されていないサービスですが、話題なのがアダルト・ドーム。ニューヨーク、サンフランシスコの都市部ではワンルームの家賃の平均が20万円を超え、若いミレニアルズにとっては一人暮らしはもちろん、ルームメートがいても中心部での生活は難しい状況です。そんな若者の住宅難を解消するために、大人のための「ドーム=寮」の建設が計画されています。

個別のベットルームに共有のキッチンやバストイレ、レストランやレクリエーションルームなども付属する言わば学生寮のアップグレード版。先述したシェアオフィス大手の WeWorkが「WeLive」という名前ですでに実験的にサービスを開始したと報道されたばかり。しかし家賃は決して安くなく、場所によっては最高で20万円近くになるかもしれないと伝えられています。

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